日本神経回路学会誌
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解説
「デジタル脳」研究の変遷と代理生成モデル
奥野 琢人塚田 啓道畑 純一
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2025 年 32 巻 1 号 p. 12-21

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抄録

侵襲的・非侵襲的なアプローチによる様々なモダリティ・階層におけるデータが集積してくると,これらを統合し新たな知見を得るためのフレームワークの出現が望まれる.構造データ・機能データ・時系列データといった様々なデータの統合と,in silicoにて脳機能を再現する数理フレームワーク「デジタル脳」の開発により,新たなる病態の理解や治療法の追求が加速すると考えられる.このような「デジタル脳」の実現を目指して,様々なアプローチが多階層的に行われてきた.単一細胞レベルの形態的コンポーネントモデルやスパイキングモデル,メソスケールレベルのReduced Wong-Wang modelやグループサロゲートデータ生成モデル(GSDGM)のように様々な階層で神経細胞の活動を数理的にモデリングしている.この中でも全脳のダイナミクスや機能的結合を最も精度高く再現できるモデルがGSDGMである.このモデルはグループの多変量時系列データ(例えばHuman Connectome Projectのような大規模ヒトresting-state fMRIデータセット)を学習し,そのグループ重心的・代表的な多変量時系列を生成できる.本稿では,こうした多階層に渡るアプローチの解説と,GSDGMの開発に至った経緯,そして代理生成モデルに関する考察を行う.

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