日本神経回路学会誌
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解説
Fokker-Planck方程式を用いた神経集団活動の解析
加藤 英之深井 朋樹
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2001 年 8 巻 3 号 p. 94-102

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抄録

単一神経細胞の状態の時間発展の解析にはケーブル方程式とHodgkin-Huxley方程式が強力な道具となるのに対し, 神経集団の状態の時間発展の解析にはFokker-Planck方程式が強力な道具となる. 本稿ではAbeles et al. の多電極測定1)により示唆されたシンファイヤーチェーン(synfire chain)1,2)—1 msec程度の時間内に集中した集団的発火が何十段のシナプスに渡って安定に伝播する現象—の解析にFokker-Planck方程式の方法が有効に働くことを紹介する.

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© 2001 日本神経回路学会
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