看護理工学会誌
Online ISSN : 2432-6283
Print ISSN : 2188-4323
原著
抗がん剤の点滴静脈内注射の血管外漏出後の重症皮膚障害の発生要因
松井 優子村山 陵子田邊 秀憲大江 真琴元雄 良治我妻 孝則道渕 路子木下 幸子坂井 恵子紺家 千津子須釜 淳子真田 弘美
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2018 年 5 巻 1 号 p. 31-40

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抄録

 抗がん剤の血管外漏出後の重症皮膚障害の発生要因の抽出を目的とした.2014年4~9月に抗がん剤の点滴静脈内注射を受けた256件のうち漏出した25名を対象とした.滴下中にサーモグラフィーによる皮膚温度の測定と肉眼的観察を行った.重症群を再来時に硬結もしくは水疱があると定義し,重症群(12件)と軽症群(13名)に分け両群の要因を比較した.金沢医科大学倫理委員会の承認を得た.重症皮膚障害が発生した対象の特徴は,サーモグラフィーで血管外漏出を示唆する低温領域出現後の壊死性薬剤もしくは炎症性薬剤の投与時間が長い(重症群28分,軽症群6分,P=0.017),投与時の腫脹なし(重症群92%,軽症群46%,P=0.03),年齢が低い(重症群59.4歳,軽症群71.2歳,P=0.037),であった.抗がん剤の血管外漏出後の重症皮膚障害の発生要因として,肉眼で腫脹が認識されないことによる長時間の漏出が示唆された.

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