原子力バックエンド研究
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断層に至るまでの核種移行に着目した処分場の閉鎖性能についての検討
杉田 裕川上 進油井 三和牧野 仁史澤田 淳三原 守弘栗原 雄二
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2004 年 10 巻 1-2 号 p. 103-112

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抄録

 高レベル放射性廃棄物の地層処分における処分場の閉鎖技術に関しては, 個々の技術のみでなく, 処分技術と安全評価の両者の観点から, 処分場としての閉鎖性能の検討が必要である. そこで, 第2次取りまとめで示した閉鎖概念に基づき, 閉鎖後の処分場における閉鎖性能に関する評価の一例として, 処分場から大規模な破砕帯を伴う断層に至るまでの核種移行に関する閉鎖性能について検討した.
 本検討では, 閉鎖要素 (埋め戻し材, 止水プラグ) の止水性能, 掘削影響領域や支保工の水理特性等の閉鎖性能に影響を与える因子について現在の知見を整理し, 母岩以外の移行経路を経由する支配的な核種移行の可能性として「連絡坑道から小規模の破砕帯を伴う断層を経由する支配的な核種移行の可能性」に着目してfaultツリーを用いた分析を行い, 閉鎖性能を論じるためのシナリオの検討を行った.
 検討の結果, 閉鎖要素においてその機能が発揮されること, 支配的な移行経路となるためにはいくつもの条件を同時に満たすことが必要であることから, 「連絡坑道から小規模の破砕帯を伴う断層を経由する支配的な核種移行が存在する」というシナリオの可能性は低く, 第2次取りまとめの「母岩を経由して大規模な破砕帯を伴う断層に至る」とするシナリオが妥当であることを示すことができた.

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© 2004 社団法人日本原子力学会 バックエンド部会
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