日本臨床皮膚科医会雑誌
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論文
成人にみられた Spitz 母斑への皮膚科医の対処について
佐藤 俊次田中 勝
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2016 年 33 巻 6 号 p. 749-753

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抄録

Spitz母斑(色素性Spitz母斑)は,幼小児期から成人の顔面や四肢に好発する良性の病変である.しかし,成人例では臨床症状・ダーモスコピー所見が典型的であっても病理組織学的診断によりatypical Spitz nevusやspitzoid melanomaと診断されるものもある.したがって,皮膚科臨床医が成人のSpitz母斑を診断したときには全摘生検を実施して病理組織学的に確定診断をするように対処することが望ましい.また,皮膚科医が診察後に経過観察を患者に指示したときは,患者が再受診することが必要な理由を説明することや,患者が受診しなかったときは医療機関サイドから連絡するようなシステムを作っておくことが重要である.

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