1988 年 30 巻 6 号 p. 467-474
我々は簡単な前処理で血球のZPとPPをHPLCを用い5分以内に自動分析する方法を確立した. DMFによる1回抽出でヘミンの混入しない抽出液を得,カプセル型の逆相充填剤を用いることでカラム寿命を延ばし長期間安定した分析が可能であった.この方法で150名の鉛作業者について得られたZP値あるいはTP値はいずれも従来のHF法, FEP法による値と良く相関した.血球プロトポルフィリンのうち亜鉛のキレートする割合は0.43から0.99まで変化し, 0.6以下となるのは5名のみであった. Pb-Bとの相関はPPよりZPのほうがより高い相関係数を示しZPが鉛被暴の指標としてより意義のあるものと考えられた. HPLC法ではHF法, FEP法と同様にEDTA血,ヘパリン血のいずれも使用でき, TP値の正常範囲は男性で31.2~120.9 μg/dlRBCであった.またHPLC法は37℃ 3日間保存した血液でも4℃保存と同様な測定値が得られ,鉛被暴のスクリーニングテストとしての利用範囲が広がるものと思われる.