引用は文献と文献の関連を示すものである。この引用関連は,研究系譜の跡づけ,研究領域間の相互影響モデルなどに使うことができる。Garfieldは,Asimovの著書「遺伝の暗号」中の研究発展の系譜をとりあげ,同じ研究者間の文献引用が,ほぼ同様のパターンを示すことを証明した。また,Zundeらは主題領域間の引用関係がマルコフ連鎖をなすという仮説をたて,Earleらの社会科学の主要領域間の引用数調査を使って試算を行なった。これらは文献量を基礎にして現象を記述するもので計量文献学といえる。文献調査,情報科学に新しい手段を提供するものである。