1982 年 25 巻 4 号 p. 273-282
「情報」とは何かを解明する過程で, 情報の定義だけでは不十分と考えて, 情報の作用効果について考察した。従来の分類では, 情報の機能によって区分した好ましいものはない。そこで独自に考察を加え, 情報が瞬間的に吸収されて作用するものであること, 情報は時と場合によって受け手に対し異なるインパクトを与えるものであることを指摘し, さらにインパクトが異なる原因を検討した。加えて, 「情報」が対象に向けられた投光に等しいとの仮説を立てて, 情報が受け手にもたらされた際の作用を説明した。情報の機能は常に変わらないが, 受け手次第で作用効果に差異が生じるのである。