オンライン化の中でこそ生きる冊子体二次資料

抄録

オンライン検索の波は, 研究者, 技術者に大きな恩恵を与え, 情報収集の機動力を大幅に高めたことは事実である。しかし, こうした時代の勢いに流されて, きめの粗い面が情報活動に生じているという警告もある。このような背景から, 冊子体二次資料に対する見直しの議論もあるが, その定量的評定に対して, なお一歩足りぬままに, 今日に至っているのが実情である。冊子体二次資料の利用効果を実証するような海外での調査データを基礎にして, コスト的側面をも配慮しながら冊子体二次資料をオンライン検索と併存させてこそ, 効率の良い情報活動が進められることを解説した。