1986 年 29 巻 9 号 p. 773-786
都市のインフラストラクチャーの一つである下水道の維持管理には, 下水道台帳の情報としての管理が不可欠である。東京都下水道局では, 地方自治体として我が国で初めて, 本格的な下水道に関する地図情報システム (名称 : 下水道台帳情報システム) を開発し, 昭和60年度から稼働させている。SEMISの開発に先立って, 下水道業務に携わる職員の下水道台帳の利用に関する基礎調査としてアンケート調査を実施し, 下水道施設平面図の作成方法を改善するための方針を検討した。この改善方針にのっとった情報システムとして, 下水道台帳を組成する図面と調書の内容をデータベース化し, コンピュータによって総合的に管理する方法を選定した。同システムの開発の経緯と概要を紹介する。