第30回情報科学技術研究集会(INFORUM'93)における特別講演の収録。平成不況と呼ばれる現在の不況の因は,日本的経営を軸にした日本の経済システムの破綻が基になっていることを指摘した上で,まず日本的経営とは何だったのかを,その始まりと発展の状況を述べながら分析した。そして,円高,内需の停滞など,日本的経済システムの破綻の因を探りながら,成熟した社会においては,日本的経営は適合し難いと結論し,日本的経営を見直し,新しい経済システムの構築が急務であることを説いた。そのために消費者の本当のニーズをつかみ,他にマネされない高レベルの技術開発力をつけることが必要であるとし,日本的経営の見直しについても,多くの事例をあげている。