1995 年 37 巻 10 号 p. 851-860
製造物責任法が制定されたことから各製造企業は製品安全対策に追われているが, その中には文書管理制度の改善も含まれる。情報管理の実務面から見たときに, PL訴訟に対応した文書管理とはどういうものか, 一つの考え方を提供したい。特に従来の文書管理では, 実際の運用面では, 文書形態別に種類を少数に絞り, しかも早期に廃棄するといった管理をしてきた。これではPL訴訟での激しい攻防に対処できない。ドキュメント化のさらなる徹底と, 内容別の管理, しかも10年程度の長期保存という, まったく異なった観点からの管理が必要である。