1996 年 38 巻 12 号 p. 1080-1093
「科学技術基本法」は,今後の我が国の科学技術政策の基本的な枠組を与えるものであり,1995年11月に議員立法により国会で全会一致で可決成立した法律である。同法は,21世紀に向けて,我が国が「科学技術創造立国」を目指して,科学技術の振興を強力に推進していく上での大きなバックボーンとなる性格を有しているといわれている。本稿では,「科学技術基本法」について,制定の経緯,本法の基本的な考え方等に関して,国会での法案審議における法案提出議員による提案理由説明や答弁内容等に基づき解説している他,本法施行後における「科学技術基本計画」の策定について記述した。