社会の動きとともに特許情報の分野における環境の変化を概観すると,データソースの豊富化と検索ソフトウエアの機能向上によるアクセスの容易化は,確かに普通の人でも情報を手に入れることができる時代になってきたように見える。しかし,情報量の拡大,メディアの多様化,分類システムの複雑さ,高度なニーズという環境において,漏れ(エラー)の許されない特許情報の特異性を考えると,他方では,アクセスが一層困難になり,特許情報の管理は一般化と専門化の二極化に向かい,これからの時代は,自分が必要な情報を自ら探し出すのでなく,誰かが必要な情報をセレクトまたはカスタマイズして,必要な人に強制的に配信していくような,エンドユーザ指向の仕組みが必要になるように思われる。この場合,社会が「所有」から「利用」へシフトされていく傾向と,特許情報の分野における専門性とを考慮すれば,自社のコアコンピタンスを重視する一方において,外部資源に対するアウトソーシングを積極的に展開しなければならない時代がやってくる。