1999 年 42 巻 9 号 p. 753-764
1999年6月にJSTがマレーシアのクアラルンプールで開催した標記ワークショップの概要および成果の報告である。同ワークショップにはASEAN10のうち5か国からの科学技術担当省庁に属する情報機関が参加し,各国の科学技術・情報技術・科学技術情報に関わる政策,各機関の活動紹介等を行った。地域の直面している問題としては,「情報収集能力不足(資金・統制力)」,「スキルのある担当者の不足」などが挙げられた。本ワークショップは地域内協力体制の樹立を目的として開催されたもので,最後のディスカッションセッションでは参加国から,ワークショップの継続的な開催とJSTの主導による協力プログラムの発足が強く求められた。プログラムについては「東南アジアにおける科学技術情報・経験・専門知識交換協力プログラム (CO-EXIST-SEA)」と名付けられた。具体的な協力項目の一つとしてJSTはNACSIS等他情報機関の協力を得て,早い時期に情報担当者の育成を目的とする研修を実施することとなった。