2001 年 43 巻 12 号 p. 1071-1083
市場の変化が激しい今日,ナレッジマネジメントは企業経営の戦略的な課題となっている。ナレッジマネジメントは従来の情報管理のあり方を変える。情報管理者の役割は,情報自体を管理することから,新しいナレッジを生み出すためのファシリテータへと変わる。扱うナレッジの対象は,データや情報ばかりでなく知識や知恵にも広がる。また,言語などで表現されている形式知ばかりでなく,言語では表現されていない暗黙知も重要なナレッジ資源となる。ナレッジマネジメントの実践にあたっては,ITツールが大きな役割を果たすが,同時に,ナレッジの共有を進めるための組織的な仕組みづくりが重要な鍵を握る。