2002 年 45 巻 9 号 p. 613-620
Webベースの学術出版チャネルが拡大する中で,利用者を最適な情報資源へ誘導することは電子図書館に求められる機能になりつつある。本稿では,柔軟で発展性のある方法で状況に応じたリンキングを実現するS・F・Xにフォーカスを当て,誕生の背景,従来のリンキングとの違い,システム構成と今後の学術リンキングの課題,CrossRefとの関係について概説する。また,S・F・X開発の過程で生まれ,Webベースのオープンリンキングを実現するためのメタデータや識別子の事実上の標準となっているOpenURLについても仕様とNISO Committee AXにおける標準化の現状などを含めて紹介する。