税関は,知的財産権侵害物品を輸入禁制品として,その輸入を取り締っている。知的財産権者は,自己の権利を侵害すると認める貨物に関し,税関長に対し輸入の差止めを申し立てることができる(輸入差止申立制度)。本年4月に改正された関税定率法により,植物新品種に関する育成者権侵害物品が輸入禁制品に加えられ,また,特許権,実用新案権および意匠権並びに育成者権が,従来からの商標権,著作権,著作隣接権と同様に輸入差止申立制度の対象に加えられた。同時に,税関に特許庁長官への意見照会を請求する制度および,輸入者が担保の提供を条件として通関解放を請求することができる制度が導入された。本文では,これら制度の概要,手続,運用状況,今後の課題等を説明する。