抄録
Googleのようなポータルサイトは,インターネット上の情報を検索するうえで欠かせないツールであるが,電子ジャーナルなどの学術情報はその検索対象には含まれておらず,学術情報検索における有用性は低いものと認識されてきた。しかしGoogleは近年,学術出版社や電子ジャーナルアグリゲータなどと提携し,従来まで検索不可能であった学術論文などの情報を,新たに検索対象に取り込む活動を進めている。本稿では,Googleによるデータ収集の仕組みを解説したうえで,その学術情報検索における具体的な事例を紹介し,学術出版業界や学術研究の発展に及ぼされる影響を検証する。