2007 年 50 巻 4 号 p. 193-200
全国書誌は,一般にある国で刊行された出版物の網羅的な書誌を意味する。日本では,国立国会図書館(NDL)が『日本全国書誌』の作成および提供の役割を担っている。2007年7月,『日本全国書誌』は印刷形態での刊行を終了し,Web上の提供へ移行した。本稿では,国際的な全国書誌の理念と発展,特にその国際書誌コントロール(UBC)との関連を振り返り,NDLが設立された1948年から2007年までの日本の全国書誌サービスの変遷を述べる。また,主に書誌コントロール,書誌情報の提供およびネットワーク情報資源との関連の観点から今後の展望を論じる。