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The state of statistics in emerging regions : Part 2: Hong Kong and Taiwan
Erika ITO
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2013 Volume 55 Issue 10 Pages 760-766

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1. はじめに

今回は香港と台湾の政府機関が公表・公開する統計情報を中心に紹介したい。

2. 香港の統計事情

2.1 統計資料の公開

香港ではイギリスによる植民地統治時代から政府統計處が統計調査やその結果報告書の出版を行っており,その中心は総合統計や貿易統計だった。特に中国への返還が決まった1984年以降,香港政庁は公共設備の拡充とともに,事業の実態把握を目的とした統計調査と成果広報のための結果報告書として,統計を含む政府刊行物の出版にも力を入れ,充実した政府刊行物を持つ地域となった。

21世紀に入ってから,香港特別行政區政府は出版物の電子化を目指すようになり,冊子体で出版される統計書は年を追うごとに減少してきた。香港の統計資料は政府統計處(Census and Statistics Department)のポータルサイト(http://www.censtatd.gov.hk/)の「香港統計資料」(Hong Kong Statistics)の「按主題瀏覧」(Browse by Subject)の項目から最近公表されたものはすべて見ることができる。大まかな分野別にファイルが公開されている。Webサイトの構成は中国語からでも英語からでも同じで,公開されているファイルも概ね同一である。ところで,香港の政府刊行物は,イギリスの植民地時代には英語で出版されていた。中国への返還後の公用語が中国語と英語と定められたため,1990年代前半に,タイトルと本文に中国語が追加された。以来,政府刊行物はすべて中国語・英語併記だ。しかし,漢字の字体は簡体字を使用する中国本土と異なり,繁体字である。

2.2 センサス

香港は植民地時代から旧宗主国イギリスのセンサス実施年と同じく,西暦の末尾が1の年に人口センサスを実施し,6の年には中間センサス(小規模調査)を実施していた。筆者が確認した香港の最も古い人口センサスは,1961年に実施された調査だ。1967年の政府統計處の設立に先駆けての実施である。香港の人口センサス実施年は中国返還後もそのまま継承され,センサスが2001年と2011年に,中間センサスが2006年に実施された。中国本土が人口センサスを西暦の末尾が0の年に,人口抽出調査を中間センサスとして5の年に実施しているのとは異なるので,要注意である。

香港の人口センサスの特徴は,言語で慣用言語,第二言語に関する項目があることだ。2011年の調査項目では,第二言語の中に中国語の標準語と広東語はもちろん,客家語,潮州語,福建語,上海語,フィリピノ語,インドネシア語等が含まれている。中国語の方言は中国各地からの移住者が多い香港の歴史を,東南アジア諸語はこの四半世紀ほどの間にフィリピンやインドネシアからメイドとして来た労働人口を反映したものだ。2011年に実施された最新の調査結果報告書がWebサイトで公開されているが,冊子体で発行されるのは簡易版だけである。

なお,製造業,サービス業が発達しており,小規模ながら農業,水産業もあるにも関わらず,産業センサスがないのも香港の特徴である。政府統計處は1980年代からProgramme of Annual Economic Surveys(PAES)によって主要6業種の産業別調査を毎年行ってきたが,いずれも標本調査にとどまっている。国連は2010年にこのPAESを含む香港の統計制度を評価する一方,香港に対して経済センサスの実施を提言している。政府統計處は,現在経済センサスを実施するか検討中だ。

〈コラム1〉センサス

センサスは全数調査だ。標本調査のための母集団を把握することも目的としている。準備段階から調査,集計,その結果分析に至るまで,経費のかかる国家事業である。大別すると人口センサスと産業センサスがある。特に人口センサスは国家計画の根拠となるものなので,センサスの中でも基本とされている。センサスとセンサスの間に中間センサス(By-census,調査項目が少ない調査,または標本調査)を実施する国もある。広く知られていることだが,ヨーロッパ各国は西暦の末尾が1の年に人口センサスを実施してきた。かつてその植民地だった国々もこの実施年を採用している。これに対し,アメリカの影響や国連の援助を受けて人口センサスを実施する国は,初回はともかく,最終的に西暦の末尾が0の年に実施することが多い。

2.3 総合統計

政府統計處は総合統計年刊である「香港統計年刊」の編纂に力を入れている。人口,労働事情,貿易,商工業,科学技術,不動産,住宅,運輸・通信・観光,財政収支・金融,物価・食物供給,教育,衛生,社会福祉,治安,文化・娯楽,気候・地理,国民収入・国際収支など19項目が網羅的に盛り込まれている。使われている用語の定義も解説されている。人口の項目で新たに結婚した男女の年齢構成,衛生の項目では麻疹やO-157などの感染症の罹患者数・死亡者数など,詳細にわたる数値が出ているのが特徴だ。約700万人という人口規模のため,詳細情報を掌握しやすいこともあろう。これらはすべて「香港統計月刊」で月次数値を見ることもできる。

2.4 貿易統計

貿易統計は2010年から冊子体での出版が停止され,毎月PDFファイルで公開されるようになった。一方で,香港貿易發展局(Hong Kong Trade Development Council)(http://bso.tdctrade.com/)が,有料ではあるが国別,品目別に検索できる貿易統計のサイトを提供している。

ところで,輸出統計は通常仕向け地で計上される。しかし,特に香港の場合,香港が最終仕向け地ではない事例が多数見られる。貿易統計上,香港への輸出となっているものでも,さらに香港を経由して,(中国本土など)別の地へ再輸出されることが少なくないのだ。これは特定の2か国の輸出統計と輸入統計を比較した場合の不一致につながることをあらかじめ考慮する必要がある。

2.5 その他の統計

香港では,香港金融管理局(Hong Kong Monetary Authority)(http://www.hkma.gov.hk/)が,月次金融統計を「Monthly statistical bulletin」として,日々動く金融市場情報を「Monetary statistics」として公開している。

産業統計である業種別統計は政府統計處が2.2センサスで述べたPAESにより,製造業,建設・不動産業,卸売・小売・貿易・飲食業・ホテル,運輸業,倉庫・通信・金融・保険,銀行・金融関係の6関連業種にまとめて年次報告を行っているほか,必要に応じ,四半期,月次でも統計情報を公開している。

なお,政府統計處は,失業率の趨勢や,労働人口概算など,必要に応じて社会情勢や社会問題を反映した特定テーマによる統計調査結果の詳細分析を行い,公開することにも力を入れている。

2.6 むすび

香港政府は統計資料の電子化を進めているが,解説部分に力を入れているためか,PDFファイルによる公開が多い。また,現在の香港の統計の構成は,継続性を重視するため,ほとんどがイギリスの植民地時代から継承されたものである。産業統計の調査方法と構成を再考し,それをデータベース化して使い勝手をよくすることが,今後の香港の統計情報の課題であろう。

3. 台湾の統計事情

3.1 台湾の統計制度

台湾の統計を司る行政院主計總處は80年余の歴史を持つ。日本による台湾の植民地統治は1895年に始まったが,行政院主計總處の元となる國民政府主計處は1931年に設立された。現在の組織の基盤である行政院主計處ができたのは中華民國政権下の1949年3月だ。2012年2月に現在の名称に変更された。行政院主計總處は予算・決算,統計調査,体制の整備,統計資料の編纂などを行っており,統計に関する法に則り,台湾の地方政府の統計機関を統括している。特定の監督官庁の業務と定まっている事項は各官庁に統計調査を行う部署(主計處,または統計處)があり,統計調査を実施している。

台湾の統計調査の礎は日本の植民地統治時代に築かれた。当時の日本総督府は日本初の国勢調査(大正9(1920)年)より早い明治38(1905)年と大正4(1915)年に台湾で「臨時人口調査」(人口センサス)を実施した。

太平洋戦争後は,中華民國政府がある程度安定した時期に,植民地統治時代の統計調査の手法を踏襲する形で調査が実施されたと考えられる。統計調査の調査項目や結果報告の出版は,当初から充実していた。特に国家の基礎となる人口センサスと産業センサスに重点を置き,基礎的調査事項をしっかり押さえた上で詳細な項目にわたる調査を行っている。政府統計は(1)センサスや総合統計といった基本統計,(2)貿易統計(税関),税務統計(税務担当部署),金融統計(中央銀行)のように主たる統計だが行政院主計總處以外の部署が管轄するもの,(3)管轄官庁の業務に関連してまとめられた統計,(4)大陸委員会のような台湾固有の機関が編成する特殊な統計,の4つに分類される。

台湾の政府機関が公開する統計情報を紹介したい。なお,紹介するのは中国語のWebサイトである。中国語サイトと英語サイトを比べると,中国語サイトのほうが情報量が多く,構成も統計資料に行き着きやすいためである。中国語のWebサイトから公開されているファイルや冊子体資料は中国語・英語併記のものが多い。また,漢字の字体は香港と同じく繁体字である。なお,台湾の行政機関は現在,国民党政権下で行政改革の途上にあるため,2012年11月22日現在のものとする。

3.2 総合ポータルサイト

台湾も香港と同様に急速に電子化が進み,冊子体の統計書の出版を中止し,インターネット上で統計情報を公開するようになっている。

行政院主計總處が提供する「中華民國統計資訊網」(http://www.stat.gov.tw/)が台湾全土の統計ポータルサイトとなっている。日々政府機関が発表する統計速報値を更新しているほか,関連統計を分野別に掲載しており,指定されたソフトウェアがあれば内容を見ることもできる。また,「全國統計資料」の項目から,他の行政機構の詳細統計も項目別に閲覧可能である。

行政院主計總處は独自のポータルサイト(http://www.dgbas.gov.tw/)もあり,その業務内容を公開している。「政府統計總覧」(http://www.dgbas.gov.tw/ct.asp?xItem=13213&CtNode=3504&mp=1)の項目で,統計標準分類や,統計法規,台湾の地方行政機関の統計も併せて調べられる。

經濟部統計處により,主要経済統計指標がWebサイト(http://2k3dmz2.moea.gov.tw/gnweb/Indicator/wFrmIndicator.aspx)上に公開されている。

統計資料の利用者にとっての難点は,台湾の行政機関が縦割りで,行政院主計總處以外の官庁が扱う統計は管轄官庁がわからないと必要な統計にたどり着くことが難しいことだ。「本月各機關所辧理統計調査」(https://cert.dgbas.gov.tw/ssl/43/43mos/outsidefirst.asp)(中国語のみ)でどの政府機関がどのような統計調査を実施しているかを作表して公開しているものが頼りになる。この表からは,調査内容や頻度,調査日時等の調査情報を知ることができる。

3.3 センサス・総合統計

(1) 人口センサス

人口センサスは,植民地統治時代後には,1956年に「戸口普査」(普査とは中国語でセンサスのこと)として実施された。人口センサスは基本センサスであるにも関わらず,工商業センサスより実施開始が2年遅い点が注目される。1970年以降は西暦の末尾が0と5の年を対象として「戸口及住宅普査」として実施されてきたが,21世紀に入ってから10年に1回のみ実施されるようになった。概ね他国の人口センサスと調査項目は同じだが,2010年の調査項目を見ると,例えば世帯主や単身者に対し,性別,年齢,婚姻状況,最終学歴など,個人事情に踏み込んだ項目が設けられているのが特徴と言えよう。直近の調査は2010年に「人口及住宅普査」として行われ,結果報告書は速報版のみ出版されている。1990年,1995年,2000年,2010年の調査結果が行政院主計總處のポータルサイト上で公開されている。サイト上の公開情報は,冊子体にある行政区分別の詳細報告部分を割愛したものだ。

(2) 産業センサス

第一次産業のセンサスは1956年に農業の抽出調査が行われたのが最初である。農業センサスの初回調査は,1961年に実施された。1965年からは,西暦の末尾が0と5の年を対象にセンサスが実施されてきた。漁業センサスは1964年と1975年を対象に独立して実施されたが,1980年の調査から2つの調査が合体して農漁業センサスとなり,さらに1990年以降,林業,牧畜業も加えた「農林漁牧業普査」として,第一次産業すべてが同時に調査・報告されている。直近の実施は2010年で,結果報告書はまだ発行されていない。1990年,1995年,2000年,2005年の調査結果と2010年の速報値が行政院主計總處のポータルサイト上で公開されている。

台湾の産業センサスの最大の特徴は第二次産業と第三次産業が同時に調査・報告されていることだ。1954年の初回調査から,「工商業普査」として実施されていた。1991年から「工商及服務業普査」となり現在に至っている。1961年以降は西暦の末尾が1と6の年を対象とする調査が実施されてきた。実施頻度やポータルサイトの構成から見ても,行政院主計總處は人口センサスよりも工商・サービス業センサスを重視している。2011年に直近の調査が実施されたが,結果報告書は2013年に出版予定である。行政院主計總處のポータルサイト上で1996年,2001年,2006年の報告書が公開されている。

(3) 総合統計

総合統計は行政院主計總處が編集している。『中華民國統計年鑑』は,台湾で最も詳細な総合統計年鑑だが,中国語のみで書かれている。Webサイト上(http://www.dgbas.gov.tw/lp.asp?CtNode=3120&CtUnit=1049&BaseDSD=34)でも閲覧できる。英語版の『Statistical Yearbook of the Republic of China』(http://eng.dgbas.gov.tw/lp.asp?CtNode=2351&CtUnit=1072&BaseDSD=36&xq_xCat=17)も公開されているが,『中華民國統計年鑑』の項目と比べると,簡略化されている。例えば行政区分ごとの数値は中国語版にしか載っていない。「中華民國統計月報」(http://www.stat.gov.tw/lp.asp?CtNode=2114&CtUnit=1041&BaseDSD=30&mp=4)(中国語のみ)で月次データを調べられる。英語版の「Monthly Bulletin of Statistics of the Republic of China」(http://eng.stat.gov.tw/lp.asp?CtNode=2814&CtUnit=1053&BaseDSD=35&mp=5)も行政区分ごとの表が割愛されている。

3.4 貿易・金融統計

(1) 貿易統計

台湾に限らず,貿易統計は税関の管轄する統計である。財政部統計處が提供するポータルサイト(http://www.mof.gov.tw/lp.asp?CtNode=1774&CtUnit=11&BaseDSD=5&mp=6)(中国語のみ) から財政部関係の統計情報すべてを見ることができる。

「貿易統計資料査詢」(http://web02.mof.gov.tw/njswww/WebProxy.aspx?sys=100&funid=defjspt2)(中国語のみ)は貿易統計を国別,品目別に検索できるようになっている。

(2) 財政・租税統計

財政部が運営する「財政統計資料庫査詢」(http://web02.mof.gov.tw/njswww/WebProxy.aspx?sys=100&funid=defjspf2)(中国語のみ)は財政関連の項目を検索できるようになっている。ほかに,財政部統計處の「財政統計年報」(http://www.mof.gov.tw/ct.asp?xItem=28826&CtNode=131&mp=6)で財政・租税統計を見ることができる。

(3) 金融統計

台湾の中央銀行はその名も「中央銀行」という。中央銀行(http://www.cbc.gov.tw/)が金融統計の総合版としてまとめているものに「中華民國金融統計月報」がある。

台湾は国際通貨基金(IMF)に加盟していない。国際機関の多くが2つの中国を認めないためだ。『International Financial Statistics(IFS)』にも台湾の記載がなく,基本統計の比較に困ることがある。「金融統計月報(IMF格式)」(通称TFS)は中央銀行がIFSと比較できるよう,IFSと同じ計算方式を使い,IFSと同一の項目立てで編集したものだ。

(4) 証券統計

財政部證券管理委員會がポータルサイト(http://www.csrc.gov.cn/)上で証券,先物取引市場統計情報を公開している。

3.5 その他のテーマ別統計

(1) 人口統計

センサスとセンサスの間を埋めるのが統計年刊である。『中華民國人口統計年刊』は2006年よりCD-ROM版のみの刊行となった。冊子体と同じ内容をPDFファイルで見られる。

(2) 労働統計

雇用や賃金,家計収支など,労働に関連する統計が行政院主計總處のポータルサイトに掲載されている。

「薪資及生産力統計」(http://win.dgbas.gov.tw/dgbas04/bc5/earning/ht456.asp)(中国語のみ)で賃金・生産力統計の速報値を見ることができる。月別,セクター別,職種別賃金と労働時間を検索できるインターフェースも用意されている。

『人力運用調査報告』(冊子体)は,人的資源の活用実態調査である。行政院主計總處のポータルサイトの「人力運用調査」から見ることもできるが,現在公開されているのは冊子体の一部のみだ。『人力資源調査統計年報』(冊子体のみ)は同じく人的資源に関する調査で,労働人口の月別推移,地域別統計,就業者・失業者に関する各種実態調査が含まれている。行政院主計總處のポータルサイトの「就業・失業統計」から一部を閲覧することができる。

(3) 農業・漁業統計

行政院農業委員會がポータルサイト(http://www.coa.gov.tw/)上で主要統計年報類を公開しているほか,さらに 「農業統計資料査詢」(http://agrstat.coa.gov.tw/sdweb/public/book/Book.aspx)を置き,各種第一次産業・食糧統計を公開している。このほかに『臺灣糧食統計要覧』(年刊,冊子体のみ)があり,主要食物の生産や需給状況,農業所得,農産物商取引や肥料に対する統計数値がまとめられている。

(4) 工業統計

經濟部統計處(http://www.moea.gov.tw/)が統括している。「經濟統計資訊網路―査詢系統動態査詢」(http://2k3dmz2.moea.gov.tw/Gwweb)(英語版あり)で工商業統計を簡易的に横断検索できるように工夫し,ダウンロードも可能である。生産量,生産高,販売量,販売額,国内販売量,国内販売額,貿易量,貿易額,在庫量,在庫額を,商品分類とデータ期間(年,四半期,月)を指定して検索できる。産業セクター別に生産高と生産率を調べることができるインターフェースもある。

『工業生産統計年報』(冊子体のみ)は中国語と英語が併記されている。

(5) 中小企業統計

台湾では企業の大規模化が進んでいる。しかし,台湾人は「独立して自分の企業を経営したい」という志向が強いため中小企業も多い。經濟部中小企業處(http://www.moeasmea.gov.tw/)が中小企業相關統計の項目で「中小企業重要統計表」と称し,中小企業の就業人員数,業種別の企業数,売上額,輸出額を掲載している。

(6) 投資統計

經濟部投資審議委員會がポータルサイト(http://www.moeaic.gov.tw/)で認可・申告ベースではあるが,対台湾と台湾外へと双方の国際投資の速報値を公開している。「核准僑外投資,陸資来臺投資,國外投資,對中國大陸投資統計月報」では直近2か月分のみを掲載している。

(7) 交通・運輸統計

交通部(http://www.motc.gov.tw/)は交通統計の項目で「交通部統計査詢網」(http://stat.motc.gov.tw/mocdb/stmain.jsp?sys=100)を提供しており,中国語のみであるが交通部が扱う各分野の統計を詳細に検索することができる。

交通部統計處編「交通統計要覧」(年刊)は交通・運輸分野の総合統計で,郵政,鉄道,道路,水上輸送,港湾,民間航空,観光のほか,気象までもが調査対象だ。交通部のポータルサイト上でも閲覧できる。「交通統計月報電子書」で月次データを見ることもできる。

(8) 資源エネルギー統計

能源とは,中国語でエネルギーのことをいう。經濟部能源局がポータルサイト(http://web3.moeaboe.gov.tw/)上の出版品の項目で「能源統計月報」,「能源指標季報」,「能源統計年報」,「能源統計手冊」,「能源平衡表」(一部は中国語のみ)を公開しており,エネルギー関連の統計,指標を見ることができる。

(9) 環境統計

行政院環境保護署『中華民國環境保護統計年報』(冊子体のみ)は環境保護関連の統計である。最新版のみが行政院環境保護署のポータルサイト(http://www.epa.gov.tw/)の「環保資訊」に掲載されている。

3.6 台湾固有の統計

台湾固有の統計に,台湾と中国,香港,マカオとの関係や台湾華僑を取り上げた情報の存在がある。例えば,行政院大陸委員會のWebサイト(http://www.mac.gov.tw/)上の両岸統計のなかには,とりわけ結びつきの強い中国と台湾だけの経済関係を抽出した「両岸經濟統計月報」が公開されている。ほかにも台湾と香港,マカオの3か所の相互貿易,社会交流,人的交流をまとめた「台港澳交流統計」が公開されており,3地間の貿易高などを知るのに役立つ。

また,台湾華僑に関連した業務を司る中華民國僑務委員會(http://www.ocac.gov.tw/)が,台湾華僑の投資動向情報を統計として提供する「僑務統計年報」(http://www.ocac.gov.tw/public/public.asp?selno=951&no=951&level=C)(中国語のみ)がある。いずれも二次統計だが,地域要因もあり,利用価値が高い。

3.7 むすび

電子立国の1つである台湾は,統計資料の電子化が進んでおり,インターネット上で得られる統計情報は実に豊富である。ここで紹介したサイトも日々更新されている。ぜひご活用いただきたい。

一方,長期的に統計資料を見るには冊子体資料との併用が欠かせない。冊子体資料は本稿で紹介していないものもアジ研図書館で多数所蔵しているので,OPAC(http://webopac.ide.go.jp/webopac/catsrd.do)を検索されたい。また,新しい冊子体統計の出版状況は,三民書局のWebサイト(http://www.sanmin.com.tw/)の政府出版品の項目から確認する方法が,最も簡便だ。

〈コラム2〉台湾の暦

台湾の政府刊行物には西暦よりはるかに少ない数字が「中華民國○○年」と印刷されている。これは中華民國暦(民國暦とも呼ばれる)である。台湾(正式名称は中華民國)が採用する中華民國暦が1911年に起きた辛亥革命を元年とするためで,中華民國暦に1911を足すと西暦になる。ちなみに2011年に中華民國は建国100年を迎えた。また,出版物に限ると,最近は西暦が併記されていることが多い。

参考資料

  1. a)   United Nations Statistics Division. Economic census: challenges and good practices: a technical report. 2010, p. 25-32.
  2. b)   “貿易統計を調べる際の留意点”. JETRO. http://www.jetro.go.jp/library/reference/trade2.html#r4, (accessed 2012-11-26).

 
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