半年以上たってしまいましたが,Mendeleyに関する講演録をお届けします。ユーザー数130万人以上とありますが,5月末で170万人超とのことです。5月29日にはスエッツ社によるMendeley(無料エンドユーザー版と有料機関版)のワークショップが開かれました。Mendeleyに代表される「リサーチコラボレーションプラットフォーム」の出現によって,学術情報流通のあり方が大きく変わりつつあると感じます。
誌面の関係で,Mendeleyの草創期から成功に至る興味深い物語の大半を割愛しました。興味がおありの方は,『WIRED』vol. 2 (2011)<http://wired.jp/2011/12/06/>に「知のシェア ― 学術論文における理論と実践」という関連記事がありますので,ごらんください(全文公開されています)。
へニング氏は,この来日の際,国立情報学研究所で開催された第2回 SPARC Japanセミナー2011「今時の文献管理ツール」ワークショップでも講演をしています。その講演「クラウドソーシング・リサーチ:オープンサイエンス研究基盤におけるMendeleyの役割」は,資料とビデオが公開されています<http://www.nii.ac.jp/sparc/event/2011/20111206.html>。
同じ課題をもつ専門家が集まって共に研鑽を重ねる場があちこちにあります。INFOSTA(情報科学技術協会)のOUGやSIGのように小さな集まりが地道な活動を続けています<http://www.infosta.or.jp/kenkyuu/randd.html>。PAT-LIST研究会もその1つです。今回,6年間の研究会活動の成果を一気通貫で報告していただきました。「ソーシャルメディア」が発達する現代だからこそ,最強なのは顔を合わせて議論を重ねること。そう感じています。(KM)
<編集委員>小河邦雄(大正製薬㈱)・気谷陽子(筑波大学附属図書館)・小林良子(㈱日本能率協会総合研究所)・清水美都子(㈶日本特許情報機構)・青山幸太・安部耕造・伊藤祥・川井千香子・木村美実子・栗本達児・黒田明子・黒田雅子・佐藤恵子・土屋江里・火口正芳・日高真子・余頃祐介(以上科学技術振興機構)