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諸外国における国家研究公正システム(1) 基本構造モデルと類型化の考え方
松澤 孝明
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電子付録

2014 年 56 巻 10 号 p. 697-711

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抄録

わが国における研究不正の低減に向けた検討に資するため,文献情報をもとに諸外国の国家研究公正システムの特徴を分析した。研究活動における公正さ(Research Integrity)を確保し,研究不正の低減を図っていく国全体としてのシステムのことを,本報では「国家研究公正システム(National Research Integrity System: NRIS)」と定義する。近年,NRISの比較研究は広く世界的な規模で行われている。そこでまず,先行研究におけるNRISの比較・分類の考え方を整理し,調査対象国のNRISの分類を行ったところ,米国をはじめとする「法的な調査権限を有する研究公正当局のある国」に分類される国は,全体としては少なかった。さらに主要国の研究不正の状況と研究開発やNRISの特徴の関係について俯瞰的な分析を行った。その結果,NRISの検討に当たっては,各国の研究不正の特徴や国情を踏まえ,さまざまな特徴あるシステムを検討していくことが重要であることが示唆された。

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