2014 年 56 巻 11 号 p. 750-757
「ビジネス支援図書館」は,公共図書館が,起業家や地域の中小ベンチャー企業や,ビジネスマン・失業者を支援し,地域経済に貢献する活動である。アメリカでは100年以上の歴史があり,いくつもの図書館発の新規事業の「孵化(ふか)器」となってきた。最近では,オバマ大統領が提唱する3Dプリンターを活用した新たな「ものづくり革命」の尖兵(せんぺい)となっている。本稿は,文献,聞き取りや訪問調査を踏まえ,NY科学産業ビジネス図書館,シカゴ公共図書館の「メイカー・ラボ」をはじめとする本家アメリカのビジネス支援図書館の最新動向について紹介するとともに,日本でのこれまでの発展状況と展望について論じる。