2014 年 57 巻 3 号 p. 149-156
機械可読性とはコンピューターによる文書構造の認識しやすさである。機械可読性に配慮した文書はより検索されやすく,利用されやすくなる。逆に,機械可読性を考慮しない文書は流通しにくい。今まで,文書は人間可読性を高めることに重点が置かれてきたが,文書流通がインターネットを中心とするようになり,XMLを利用した機械可読性を高めた文書の重要性が増してきている。しかし機械可読性と人間可読性は往々にして対立する。本稿では,これらの対立の事例を検討し,オンラインジャーナルでは当面機械可読性優位の組版が行われるべきであることを示す。