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3Dプリンターからみる新たなものづくり 付加製造技術の可能性
高木 聡
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2014 年 57 巻 4 号 p. 257-265

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抄録

近年,「3Dプリンター」が急速に注目を集めている。経済産業省では,2013年10月から2014年2月まで「新ものづくり研究会」を開催し,付加製造技術について議論した。付加製造技術は,(1)精密な工作機械としての発展可能性(付加製造装置)と,(2)個人も含めた幅広い主体のものづくりツールとしての発展可能性(3Dプリンター)の2つの方向性をもち,航空機分野や医療分野といった先進分野での応用が期待されるだけでなく,多くの人々のアイデアがつながることで,これまでにない新しい製造業のかたち(インディーズ・メーカー)を実現する可能性がある。2020年における付加製造技術の経済波及効果は,総額で約21.8兆円に達することが予想され,わが国も「3次元造形システム」の研究開発によって,装置,ソフト,材料の開発を進めつつ,普及を促すうえで知的財産権や製造物責任等の課題がないか,昨今の事例も踏まえて引き続き検討していく。

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© 2014 Japan Science and Technology Agency
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