情報管理
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編集後記
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2014 年 57 巻 5 号 p. 366

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2010年度に連載した「教えて!著作権」シリーズは多くの読者から参考になるとの感想をいただきました。あれから3年,再び著作権を取り上げました。今回も学術情報流通や図書館業務にかかわりの深い内容に焦点を絞って解説します。前回のシリーズと併せて参考にしていただければと思います。

先週,とあるネット書店から『ブラック・ジャック創作秘話 手〓治虫の仕事場から(5)』という新刊本の案内メールが届きました。さすがに,〓(ゲタ字)は「塚」の異体字だろうと予想がつきましたが,「手〓治虫」と表示されるのを見たのは初めてでした。手塚治虫氏ほど有名な方だから穴埋めは可能ですが,そうでなければ名前はわからないままです。

実際に昨年,今年と,「〓」の入った名簿を目にする機会がありました。いずれもJIS第3水準,第4水準の漢字で,名簿作成の段階では表示できていたのだと思います。情報を伝える段階で,そこまでの漢字処理能力のない計算機を経たために「〓」になったのでしょう。

情報を伝えるという観点に立てば,たとえ正式な表記が「塚」に点の入っている字だとしても,〓にならない字の方を選ぶという選択が必要ではないでしょうか。そんな問題意識をもって,自治体現場経験のある方に,電子行政における使用漢字についてご寄稿いただきました。

電子教科書は,以前から話題にのぼっていたテーマです。ここでは,義務教育における検定教科書にとどまらず,参考書,教材など学習に使われるさまざまなものも含めて,広義の電子教科書と呼んでいます。内外における動向を解説します。

情報を扱っていると,用語の問題を避けて通ることができません。ISO 30300に関する記事は,記録管理の国際標準を扱っていますが,用語の扱いをめぐる格闘の報告でもあります。情報を正確に伝えてこそ用字用語は生きてきます。(KM)

次号予定

  • ●   MOOCとは何か:ポストMOOCを見据えた次世代プラットフォームの課題
  • ●   研究戦略のための書誌データの実践的活用と応用
  • ●   産業日本語の取り組み:特許ライティングマニュアルを中心に
  • ●   AMED(日本版NIH)創設に向けた新しい指標の開発(7):米国のファンディング動向
  • ●   インフォプロによるビジネス調査-成功のカギと役立つコンテンツ:第6回 消費者動向情報

編集委員会

  • <委員長>加藤治(科学技術振興機構)
  • <編集委員> 江草由佳(国立教育政策研究所)・岡安渉子(富士通㈱)・小河邦雄(大正製薬㈱)・気谷陽子(放送大学)・志賀智行(旭化成㈱)・青山幸太・伊藤祥・植松利晃・木村美実子・佐藤恵子・白石淳子・土屋江里・中村拓・火口正芳・樋廻美香子・余頃祐介(以上 科学技術振興機構)

編集事務局

  • 木村美実子(事務局長)
  • 藤井昭子・本橋野枝・及川優子(以上 科学技術振興機構)

版下作成・印刷

  • 昭和情報プロセス株式会社

発行

  • 独立行政法人 科学技術振興機構
  • 〒102-8666 東京都千代田区四番町5番地3
  • 「情報管理」編集事務局
  • Tel. 03(5214)8406 Fax. 03(5214)8420
  • E-mail: joho-kan@jst.go.jp
  • http://johokanri.jp/

 
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