情報管理
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編集後記
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2016 年 58 巻 11 号 p. 874

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今号の冒頭にある「スマートライフケア社会」とは,医療にかかる手間やコスト,病院までの距離を意識することなく,病気や治療から解放され,日常生活の中で自律的に健康を手にすることのできる社会を指しています。そのような社会の実現を目標に据えて,そこを起点に今何をすべきか考える「バックキャスティング的思考」によって導き出されたコンセプトが「体内病院」です。ウイルスサイズのナノマシンが体内を自律巡回し,24時間治療・診断を行うSFの世界を実現しようというプロジェクトです。1月号に引き続きセンター・オブ・イノベーション(COI)プログラムの取り組みをご紹介します。

1月号でもご紹介しましたが,3月に日本でRDA(研究データ同盟)総会が開催されます。1月号では,関連記事として林和弘氏に「オープンサイエンスが目指すもの」をご寄稿いただきました。今号では,関連記事を2件掲載しております。1件が「ビッグデータと個人情報保護法」です。研究データの共有が期待される昨今,そのデータにパーソナルデータが含まれる場合の留意点とともに,個人情報保護法改正の動向もお伝えします。

RDAに関連したもう1件は,「わが国における政府統計のデータシェアリングの現状と課題」です。統計情報に関して弊誌では2011年から2012年にかけて「統計情報活用への招待」15回,その後2013年にかけて「新興地域の統計事情」10回の連載を行いました。今回は政府統計のデータ共有を取り上げます。

2015年9月号で「変体仮名のこれまでとこれから」を取り上げました。今号の「古典籍翻刻の省力化」では,くずし字を含む古典籍が,新方式OCRによる検証実験で高精度の自動テキストデータ化を実現した話題を取り上げます。現代人にとってくずし字を読むのは困難です。くずし字で書かれた文章を現代通用の文字に置き換える作業(翻刻)の省力化を図る最新技術について解説します。(KM)

次号予定

  • ●   情報技術におけるELSIの可能性:歴史的背景を中心に
  • ●   身体を拡張する筋電義手
  • ●   オープンイノベーションによるIT創薬:コンテスト形式による薬剤候補化合物の探索
  • ●   日本の学協会誌掲載論文のオンライン入手環境
  • ●   レポート紹介 OECDレポート:オープンサイエンスの実現に向けて

編集委員会

  • <委員長>小賀坂康志(科学技術振興機構)
  • <編集委員> 江草由佳(国立教育政策研究所)・岡安渉子(富士通㈱)・小河邦雄(大正製薬㈱)・清田陽司(㈱ネクスト)・山下正隆(旭化成㈱)・植松利晃・木村美実子・佐藤恵子・嶋田一義・白石淳子・土屋江里・中村拓・火口正芳・日高真子・樋廻美香子・山崎美和・余頃祐介(以上 科学技術振興機構)

編集事務局

  • 木村美実子(事務局長) 藤井昭子・酒井加代子・
  • 中山広之(以上 科学技術振興機構)

版下作成・印刷

  • 昭和情報プロセス株式会社

発行

  • 国立研究開発法人 科学技術振興機構
  • 〒102-8666 東京都千代田区四番町5番地3
  • 「情報管理」編集事務局
  • Tel. 03(5214)8406 Fax. 03(5214)8460
  • E-mail: joho-kan@jst.go.jp
  • http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/

 
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