皆さま,明けましておめでとうございます。今号から,弊誌60年目の歩みが始まります。
「ニコニコ学会β」の記事を最初に掲載したのは,2012年の10月号(vol. 55, no. 7)でした。2011年12月に第1回の,2012年4月に第2回のシンポジウムが開催された後の報告です。ここに初登場した「初音ミク」は後に2014年2月号(vol. 56, no. 11)で,後藤真孝氏らによる記事の主題になりました。刺激とエネルギーに満ちた活動はそのまま共創型イノベーションにつながっていきます。期限付きの活動の終わりは新たな始まりです。さらに刺激に満ちた活動につながるよう祈りつつ,今回の報告を掲載します。
対話が成り立つとはどのような状態か,非常に関心があります。人と人との会話でも話がうまくかみあわないことがあります。人と機械の対話について,今回の記事「コンピューターに話が通じるか」を読んで感じたのは,対話が成り立っているか否かの判断はとても難しいということでした。言葉をオウム返しにすれば,取りあえず会話は成り立っているようにみえます。星新一の短編に出てくるバーの美人ロボット「ボッコちゃん」を思い出しました。
医療情報提供WebサイトMEDLEYは,医師だけが入力・更新し医師をはじめとする編集チームが管理することで信頼性を担保する仕組みです。今多くの方々が医療健康情報をWebから入手しています。信頼性の低い有害な情報によって深刻な被害を受けたケースが報道されています。恐らくそれは氷山の一角にすぎません。信頼性を見定めて情報を活用する能力が不可欠です。MEDLEYの仕組み,活用について参考になさってください。
12月号から始まった短期集中連載の「サイバースペースとセキュリティー」,今回は2回分を掲載します。取り上げるのは,判例や報道からみたサイバー犯罪,そして警察によるサイバー犯罪捜査です。わたしたちは今,サイバー空間での身の処し方を学んで自らを守らなければならない時代に生きています。まず現実を知ることが重要と考えます。
本年も充実した一年となりますように。(KM)