情報管理
Online ISSN : 1347-1597
Print ISSN : 0021-7298
ISSN-L : 0021-7298
情報界のトピックス
ジャーナル フリー HTML

2016 年 59 巻 3 号 p. 204-205

詳細

Facebook,人工知能で画像説明を自動読み上げ

Facebookは4月4日,人工知能を使って,視覚障害者向けに画像の説明を自動生成する機能を開発したと発表した。Facebookは,視覚障害者が現在,Facebook上での写真をめぐる会話に加わることができず,疎外感を抱いていることを指摘。この「自動代替テキスト機能」は,スクリーンリーダーを使った場合に,たとえば,「画像には3人の人,屋外,笑っている」(Image may contain three people, smiling, outdoors)といった写真の内容を音声で聞けるようになる。この機能で使用されているFacebookの物体認識技術は,iOSデバイスで「画面読み上げ」機能を有効にしている場合に利用可能で,使用言語は英語のみ。今後,ほかの言語やプラットフォームにも広げる予定。

MITメディアラボ,オープンデータをビジュアル化したサイトを公開

マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボは4月4日,政府の公的公開データをビジュアル化するWebサイト「Data USA」を公開した。このWebサイトで使われているツールは無料で,オープンソース化されているため,開発者はほかのデータを追加することで独自のアプリケーションを開発できる。Data USAの開発を行った研究者は,このサイトの目的は「データをストーリーに変える」ことだとしている。Data USAでは,検索ボックスでたとえば「New York」(ニューヨーク市)と入力すると,ニューヨーク市の人口,平均世帯収入額,平均年齢という3つの基本データが表示される。その下には,「経済」「人口」「教育」「住宅・生活」「健康・安全」などのカテゴリに対応したアイコンが並んでおり,クリックするとそれぞれのカテゴリに関する詳しいデータがカラフルで見やすいグラフィックスで表示される。「人口」を選択した場合,米国生まれと米国外生まれの市民の年齢別割合,出身国,人種,使用言語など,ニューヨーク市の人口構成をさまざまな角度から見ることができる。

ドローンを使った学校間図書輸送の実証実験に成功

情報通信研究機構(NICT)は4月12日,小型無人飛行機ドローンを使った学校図書館間の図書配送システムの実証実験に成功したと発表した。この実験は,産業用ドローン専門メーカーであるプロドローンと共同で行われたもので,国家戦略特別区域(地方創世・近未来技術実証特区,いわゆる「ドローン特区」)に指定されている秋田県仙北市で実施された。同市では数年前から,市内小中学校の図書館横断検索システムが構築されているが,本の輸送は教員が行う必要があり,実際にはほとんど利用されていなかった。実験では,単行本3冊(計約1kg)の図書を,プロドローンが開発したドローンの図書収納用ケースに格納し,西明寺小学校から西明寺中学校までの航路約1.2kmを,約50mの高度で約10分かけて運んだ(ドローン飛行にあたっては国土交通省より承認を受けている)。使用された配送システムでは,ドローン,地上局,図書館端末,配送管理端末,データサーバーで構成されるシステムの通信に共通鍵暗号(AES方式)とワンタイムパッド暗号を適用し,各機器間の通信がすべて暗号化された。これにより,ドローンの乗っ取りや情報漏えいを完全に防御した環境での配送サービスが実施できるとしている。

デジタル教科書導入に向けた検討状況

文部科学省は4月22日,「『デジタル教科書』の位置付けに関する検討会議」(第7回)を開催し,これまでの検討を踏まえた中間まとめの大枠を発表した。この中では,デジタル教科書を「その使用により教科書の使用義務を履行したことになるもの」として位置付け,そうしたデジタル教科書の使用による効果・影響,使用形態,範囲・内容,各法律上の位置付け,使用環境について検討を行っている。使用形態については,デジタル教科書と紙の教科書の併用が適当としている。その場合,紙の教科書に加えてデジタル教科書も無償とすることは困難であり,保護者負担となる可能性を指摘している。一方,使用する情報端末については,学校備品と個人所有のいずれの形態も認めるべきとしている。

シャープと大学生協が共同開発した,電子教材システムが導入開始

シャープは4月27日,全国大学生活協同組合連合会(全国大学生協連)と共同で開発した電子教材システムが2016年4月より全国9大学(広島大学,広島修道大学,桜美林大学,他6大学,対象学生約8,000名)で採用され,授業への導入が開始されたと発表した。全国大学生協連は2013年7月から,電子教育コンテンツ提供サイトの整備・利用促進などを目指すDECS(Digital Educational Contents Support)計画を開始し,大学生協仕様ビューア付電子書籍の開発をシャープや大日本印刷株式会社と提携して進めてきた。このビューアアプリ「VarsityWave eBooks」には,付箋メモやマーカーなどをリスト化して自作ノートを作成する機能や,教員・学生間で手書きデータや学習情報を共有する機能が搭載されている。

SNS・多言語「しんじゅくニュース」開設

新宿区は,ニュースやイベントの情報,災害関連情報を知らせる,日本語・英語・中国語・ハングル(韓国語)による「しんじゅくニュース」の,SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)同時発信を開始した。「複数のSNSによる多言語情報の同時発信は,全国の自治体でも珍しい取り組み」と担当者は語る。該当するSNSは,Facebook(しんじゅくニュース/Shinjuku News/新宿新闻/신주쿠 뉴스」),Twitter,LINEで,発信内容は同じである。情報発信専用で,投稿内容についての問い合わせは新宿区役所の各担当部署が受け付ける。

しんじゅくニュースでは,新宿区の外国人向け生活情報や災害情報のほか,新宿銭湯公式Webサイトなど生活に役立つ情報も提供している。

 
© 2016 Japan Science and Technology Agency
feedback
Top