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「デジタル台風」におけるキュレーションとオープンサイエンス:持続可能なデータプラットフォームに向けた課題
北本 朝展
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2016 年 59 巻 5 号 p. 293-304

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抄録

「デジタル台風」とは,台風に関するあらゆる情報を整理し,誰でもアクセス可能なデータプラットフォームの構築を目標とするプロジェクトである。気象データや社会データなどさまざまな大規模データを統合するだけでなく,データの意味を類似性やランキングといった相対値の文脈で解釈する機能など,「デジタル台風」にしか存在しないユニークなデータや機能が人気を集めている。本稿はこのデータプラットフォームを2つの観点から考察する。第1に,公開から約13年間の約1億6,300万ページビューのアクセス解析に基づき,時間変動する情報価値や情報流通におけるソーシャルメディアの価値などを考察する。第2に,デジタル台風が直面するさまざまな持続可能性の問題を,パスファインダーによるキュレーションや,市民科学とオープンサイエンスのかかわりといった観点から論じるとともに,持続可能なデータプラットフォームに向けて目指すべき方向を展望する。

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© 2016 Japan Science and Technology Agency
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