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編集後記
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2016 年 59 巻 6 号 p. 430

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今号には,バリアフリーに関連した記事を2件掲載しました。

私がパソコン要約筆記専用ソフト「IPtalk」に出会ったのは十数年前のことでした。簡単な研修を受けたのち,友人と2人1組で実際にパソコン要約筆記に挑戦しました。本来でしたら2組が交代で取り組むべきところを,人手不足で1時間以上交代なし。相手の入力状況を見ながらその先の発言を入力し,確認してからアップロードします。リアルタイム字幕を見て会場にいる聴覚障害の方も,講師の話にうなずき,笑い,時を共有することができます。へとへとになりながらも,バリアフリーを実感しました。

国土交通省の歩行者移動支援サービスは,高齢者や障害者のスムーズな移動を助けるもので,課題先進国日本が2020年にユニバーサル社会を実現するという目標に向けた取り組みの一環です。

人間はいつなんどきケガをするか病気になるかわかりません。障害者差別解消法の背景にある「障害は人間がとりうる自然な状態のひとつである」という理解のとおりです。そして老いは誰にでもやってきます。障害や高齢による障壁を技術によって取り除き,誰もが普通に暮らせる世の中にすること。超高齢社会を迎えた日本にとって,非常に重要な課題と考えます。

内閣府の「共生社会政策」のページには,「年齢や障害の有無等にかかわりなく安全に安心して暮らせる『共生社会』」の実現が必要,と書かれています。多様な人々の共生,自然と人間の共生,機械(AI)と人間の共生。「共生」について深く考えさせられるこの頃です。(KM)

訂正

vol. 59, no. 5(2016年8月号)「運転・育児・防災活動,どこまで機械に任せるか」の「謝辞」(p. 329)の記載内容に誤りがありました。お詫びして訂正します。

誤:坂本大輔   正:坂本大介

次号予定

  • ●   オープンアクセスとクリエイティブ・コモンズ採用における注意点
  • ●   サービスデザインの時代
  • ●   看護の質向上のためのデータベース事業(DiNQL):日本看護協会の取り組み
  • ●   「BOOKデータベース」の起死回生:時代に求められる書誌情報を追って
  • ●   国立公文書館アジア歴史資料センター15年の取り組み:歴史資料としてのデータベースの構築とサービス
  • ●   情報教育の格差と参照基準:情報教育の基盤となる学問としての情報学

編集委員会

  • <委員長>小賀坂康志(科学技術振興機構)
  • <編集委員> 江草由佳(国立教育政策研究所)・岡安渉子(富士通㈱)・小河邦雄(大正製薬㈱)・清田陽司(㈱ネクスト)・山下正隆(旭化成㈱)
  • 木村美実子・佐藤恵子・嶋田一義・坪井彩子・中村拓・火口正芳・日高真子・樋廻美香子・山崎美和・余頃祐介・米陀正英(以上 科学技術振興機構)

編集事務局

  • 木村美実子(事務局長)・石井節子・酒井加代子・
  • 大井喜久子・中山広之(以上 科学技術振興機構)

版下作成・印刷

  • 昭和情報プロセス株式会社

発行

  • 国立研究開発法人 科学技術振興機構
  • 〒102-8666 東京都千代田区四番町5番地3
  • 「情報管理」編集事務局
  • Tel. 03(5214)8406 Fax. 03(5214)8460
  • E-mail: joho-kan@jst.go.jp
  • http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/

 
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