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Vol. 60 (2017) No. 1 p. 66-67

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http://doi.org/10.1241/johokanri.60.66

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情報界のトピックス

米国科学振興協会とビル&メリンダ・ゲイツ財団,オープンアクセス出版で提携

米国科学振興協会(AAAS)は2月14日,科学コミュニケーションとオープンアクセス出版の推進を目的として,ビル&メリンダ・ゲイツ財団(以下,B&MGF)と協力関係を結んだと発表した。これにより,B&MGFの助成を受けた研究者の論文は,AAASが発行するScienceなどの雑誌にクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CC BY)で掲載されることになる。2017年1月1日以降に投稿された論文の最終版は直ちに閲覧・ダウンロード・再利用が可能になる。B&MGFでは2017年より,オープンアクセス出版への支援を研究助成プログラムの一部として組み込んでいる。同財団はオープンアクセス論文の投稿手続きを簡素化するサービス「Chronos」を提供しており,AAAS発行雑誌への投稿もChronos経由で行われる。なお同財団のオープンアクセスポリシーにより,論文の基礎データも同時に公開する必要がある。

低所得世帯のデジタルディバイド解消をめざす取り組み

米国図書館協会(ALA)は2月24日,CATVサービスなどを展開するコックス・コミュニケーションと提携し,低所得世帯でのデジタルディバイド解消に取り組むことを発表した。背景には,家庭での宿題にインターネットが必須とされるなかで,家庭にインターネットがない低所得世帯の学生は,デジタルリテラシー能力が不足し,学校の授業についていけなくなるという事情がある。ALAは地域の図書館やオンラインを通して,デジタルリテラシー習得のためのトレーニングやリソースを提供する。これによって得られたスキルは,低所得世帯の学生が学業だけでなく,その後の進学や就職でも成功するための基礎になるとしている。具体的には,アリゾナ州トゥーソン,カンザス州トピカ,ルイジアナ州バトンルージュの図書館でパイロットプログラムを実施し,その成果を評価する調査を行う。またコックス・コミュニケーションはCATVサービスを展開する18州において,地域の図書館と協力して,デジタルリテラシーの向上と家庭へのインターネット導入を促進するイニシアチブを実施し,CATVでの広告キャンペーンも行う。

英国で電子書籍が公共貸与権制度の対象に

英国の文化・メディア・スポーツ省のRob Wilson大臣は2月24日,同国の公共図書館における公共貸与権制度(図書館資料の貸出に対する補償を著作者に支払う制度)が拡張され,電子書籍も対象になったと発表した。これは2月22日のデジタル経済法案改正により可能になったもの。これにより,公共図書館では電子書籍やオーディオブックを図書館外へ無償貸出できるようになり,同時にそれらの著者は紙書籍の著者と同じように補償を受けられることになる。公共貸与権制度を電子書籍にまで拡張したのは世界で最初の国の一つだとしている。電子書籍への公共貸与権適用については長い間議論が行われていた。2016年11月にはEU司法裁判所で,公共図書館での電子書籍貸出について「紙書籍と同じように著者の許諾なく貸出できる」との判決が下っており,EU離脱が決まっている英国でもこの流れに沿う形になった。

ヤマハなど,楽器教室からの著作権料徴収の動きに反発

ヤマハ音楽振興会を代表とする音楽教育事業7企業・団体は2月3日,「音楽教育を守る会」を結成したことを発表した。これは,2月2日に日本音楽著作権協会(JASRAC)が,楽器教室における演奏等も著作権管理の対象にすると発表したことに対するもの。JASRAC側は,著作権法では演奏権(著作物を公に演奏する権利)の例外条件として,営利を目的としていない場合などを定めているが,営利事業である音楽教室での音楽著作物の演奏利用はこれらの条件を満たしていないため,演奏権が及び,著作権使用料徴収の対象になるとしている。これに対して音楽教育を守る会は,「演奏権が及ぶのは公衆に聞かせるための演奏であり,音楽教室での練習や指導のための演奏は該当しない」と反論している。同会は2月24日,JASRAC宛てに質問状を送付し,音楽大学や音楽専門学校には演奏権が及ばないとするJASRACの見解や,「音楽教室は楽器販売のための販促モデル」とするJASRAC側の発言についてただしている。同会の立ち上げには,ヤマハ音楽振興会の他,河合楽器製作所,島村楽器,全日本ピアノ指導者協会などが参加しており,その他の企業や団体へも参加を呼びかけている。

Googleがアルゴリズム変更,「低品質サイト」の表示順位を下げる

Googleは2月3日,同社のGoogle日本語検索アルゴリズムの変更を行い,Webサイトの品質評価方法を改善したと発表した。この変更は「日本語検索で表示される低品質なサイト」への対策を意図しており,これにより「オリジナルで有用なコンテンツをもつ高品質なサイト」が上位に表示されるようになるとしている。背景には,2016年問題になった信ぴょう性の低いキュレーションサイト(本欄でも既報(vol. 59, no. 10(2017年1月号))がSEO対策によって検索上位に表示されることを防ぐ狙いがあるとみられる。

色彩のみからなる商標,初の登録

特許庁は3月1日,色彩のみからなる商標について初の登録を認める判断をしたと発表した。2月28日付で登録されたのは,トンボ鉛筆(消しゴムパッケージで使われている青,白,黒の3色のデザイン)と,セブン-イレブン・ジャパン(店舗などで使われているオレンジ,白,緑,赤のデザイン)の2件。特許庁は2015年4月1日から,音や動き,色彩のみからなる商標など新しいタイプの商標の出願受け付けを開始しており,色彩のみからなる商標以外ではすでに200件以上が登録されている。

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