情報管理
Online ISSN : 1347-1597
Print ISSN : 0021-7298
編集後記
ジャーナル フリー HTML

2018 年 60 巻 11 号 p. 844

詳細

編集後記

私事で恐縮ですが,長いこと腰痛に悩まされています。多少の痛みは,なだめすかして様子をみます。いよいよつらくなると職場の近くの整形外科へ。半年以上様子をみた後,耐えられない痛みでいつもの整形外科へ行ったところ,扉に張り紙がありました。閉院していたのです。長年のカルテはどこへ。(私にとって)貴重な記録はどこへ。究極の個人情報である診療記録が本人に断りもなく消えてしまったことに呆然(ぼうぜん)としました。

今回ご紹介する「千年カルテ」は,診療記録の個人情報を消してビッグデータとして扱い予防医学に役立てます。それは確かに大事なことでしょう。しかし私にとってはそれ以上に,自分の体の記録を遠慮なく入手できるシステムであることが魅力です。これでなじみの病院が閉院しても,新たな病院で過去の記録を参考にしてもらえます。

今号にはオープンデータ活用がテーマの記事が2つあります。「OpenStreetMap」活用の素晴らしさは,詳しい説明を読んで初めてわかりました。各種データを取り込んで作製した地図を基に,今度は地域の人たちが細かな書き込みをしてより詳細な地図に仕上げていく。みんなで作って活用する仕組みで防災にも役立つ地図ができあがります。

福井県と鯖江市からは,オープンデータ活用の先進事例を紹介します。福井県が47都道府県別幸福度ランキングで総合第1位(2014年,2016年)であることを,『裏が,幸せ。』(酒井順子,小学館)で知りました。日本海側(裏日本)の北陸3県に共通する特徴として,忍耐強さも挙げられていました。わからないことだらけのオープンデータに忍耐強く向き合い,官民一体となって取り組みを進めた事例です。幸福度ランキングの仕事と教育の分野で全国第1位の福井県,そして眼鏡の町として世界に知られる鯖江市からの報告,参考になるのではないでしょうか。

「情報界のトピックス」でも取り上げていますが,「国立国会図書館オンライン」のサービスが始まりました。長年親しんだNDL-OPACの書誌情報画面はNDL-Bibに引き継がれています。(KM)

次号予定

  • ●   「芸術のDNA」を模写する復元技術:高精度クローン文化財制作
  • ●   コクラン:医療と研究における意思決定と市民患者参画
  • ●   サイエンスアゴラ2017 トークセッション 人工知能(AI)との共生:人間の仕事はどう変化していくのか
  • ●   データベース付きオープンアクセスジャーナルHuman Genome Variationの出版:日本人類遺伝学会の取り組み
  • ●   連載:「情報」とはなにか 第10回 情報×文理融合 情報学的転回のかなたへ

編集委員会

  • <委員長>小賀坂康志(科学技術振興機構)
  • <編集委員> 江草由佳(国立教育政策研究所)・岡安渉子(富士通㈱)・小河邦雄(大正製薬㈱)・清田陽司(㈱LIFULL)・山下正隆(旭化成㈱)
  • 住本研一・青山幸太・木村美実子・佐藤恵子・嶋田一義・坪井彩子・中村拓・火口正芳・福島俊一・森亮樹・山崎美和・余頃祐介(以上 科学技術振興機構)

編集事務局

  • 木村美実子(事務局長)・酒井加代子・大井喜久子・関根佳美(以上 科学技術振興機構)

版下作成・印刷

  • 昭和情報プロセス株式会社

発行

  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 〒102-8666 東京都千代田区四番町5番地3
  • 「情報管理」編集事務局
  • Tel. 03(5214)8406 Fax. 03(5214)8460
  • E-mail: joho-kan@jst.go.jp
  • http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/

 
© 2018 Japan Science and Technology Agency
feedback
Top