2017 年 60 巻 6 号 p. 429-435
インターネットという情報の巨大な伝送装置を得,おびただしい量の情報に囲まれることになった現代。実体をもつものの価値や実在するもの同士の交流のありようにも,これまで世界が経験したことのない変化が訪れている。本連載では哲学,デジタル・デバイド,サイバーフィジカルなどの諸観点からこのテーマをとらえることを試みたい。「情報」の本質を再定義し,情報を送ることや受けることの意味,情報を伝える「言葉」の役割や受け手としてのリテラシーについて再考する。
第4回は,サイバー空間と実世界との間で交換される情報の価値について考える。「第4の科学」を支える情報とは,「人やモノのセンサー」としてのWebオープンデータとは。