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Vol. 60 (2017) No. 6 p. 460

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http://doi.org/10.1241/johokanri.60.460

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編集後記

編集後記

最近とても気になっている言葉があります。「インクルージョン」「インクルーシブ」,英語でいうと「inclusion」「inclusive」。「包括」「包含」「包摂」とも訳されますが,カタカナ書きが多いようです。

第5期科学技術基本計画には「社会的に包摂的で持続可能なイノベーション(インクルーシブ・イノベーション)」という言葉があります。先進国が新興国を援助するといった従来型の協力ではなく,「対等なパートナーシップを形成することが重要」と書かれています。

インクルージョン(ソーシャル・インクルージョン)という言葉は,福祉や教育の世界ではエクスクルージョン(社会的排除)の対義語で,誰も隔離排除せず社会の中で共に助け合って生きていこうという考え方を表しています。それまでの「ノーマライゼーション」が障がい者と健常者に分けたうえで統合(インテグレーション)を目指していたのに対して,インクルージョンは最初から分けることなく,社会の多様なメンバーをすべて構成員として包み込む捉え方を前提としています。強者,弱者の関係ではなく,「対等なパートナーシップ」,まさにこの点が重要なのだと思います。

イノベーションの文脈で使われるインクルージョンは,国・地域の間の関係に焦点を当てて使われるようですが,インクルージョンの語義には,生きにくさを抱えたすべての人を対等な構成員として認める考え方があります。真にインクルーシブな社会の実現には一人ひとりの意識改革が必要で,一筋縄ではいきません。

しかし,ICTの進展によってさまざまな技術的援助が可能になった現代,インクルージョンの精神は,多様な構成員が共存し新たな発想を生む共創社会にもつながっていくのではないでしょうか。

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次号予定

  • ●   次世代人工知能へのアプローチ:シリコン神経ネットワーク
  • ●   ガスコージェネレーションを中心にしたディマンドレスポンスの取り組み
  • ●   博士人材の研究公正力(2):研究倫理教育の類型学
  • ●   モバイル空間統計による人口把握:観光防災,帰宅困難者対策の観点から
  • ●   新規ファイルEmerging Source Citation Indexの概要:Web of Science Core Collectionのジャーナル収録の強化と最新収録基準
  • ●   連載:「情報」とはなにか 第5回 情報×集団心理 Web上の「書き込み」による情報拡散とそのシミュレーション

編集委員会

  • <委員長>小賀坂康志(科学技術振興機構)
  • <編集委員> 江草由佳(国立教育政策研究所)・岡安渉子(富士通㈱)・小河邦雄(大正製薬㈱)・清田陽司(㈱LIFULL)・山下正隆(旭化成㈱)
  • 住本研一・青山幸太・木村美実子・佐藤恵子・嶋田一義・坪井彩子・中村拓・火口正芳・福島俊一・森亮樹・山崎美和・余頃祐介(以上 科学技術振興機構)

編集事務局

  • 木村美実子(事務局長)・石井節子・酒井加代子・
  • 大井喜久子・中山広之(以上 科学技術振興機構)

版下作成・印刷

  • 昭和情報プロセス株式会社

発行

  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 〒102-8666 東京都千代田区四番町5番地3
  • 「情報管理」編集事務局
  • Tel. 03(5214)8406 Fax. 03(5214)8460
  • E-mail: joho-kan@jst.go.jp
  • http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/

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