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博士人材の研究公正力(2):研究倫理教育の類型学
松澤 孝明
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60 巻 (2017) 7 号 p. 481-492

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抄録

研究倫理教育には,研究者の職制を考慮した研究倫理教育だけでなく,「場」の教育や再教育が必要である。まず,研究実施者に対する研究倫理教育(第1段階)に加え,研究指導者・管理者に対する研究倫理教育(第2段階)や,研究機関の研究倫理教育の責任を担う「研究倫理教育責任者」を継続的・組織的に育成するための教育(第3段階)が必要である。研究者のライフサイクルにはいくつかの転換点があり,各段階で必要となる教育は前もって行われる必要がある。他方,研究を実施する側だけでなく研究を取り巻く「場」の教育(第4段階)も,研究倫理教育の重要な使命である。研究倫理は公正な研究活動の奨励・推進の役割があり,公正な研究活動の保障や研究者の人権への配慮が必要である。「証拠の優越」原則や,不正行為としての「研究妨害」,「研究不正事案の取り扱い」に関するガイドライン等について正しく理解し,研究不正の申し立て等の乱用を防止し,安心して研究活動に取り組める環境を整備することも重要である。また,研究不正の程度を考慮し,研究者に再教育による復帰の機会を与えることも研究倫理教育の重要な役割である(第5段階)。研究倫理教育の機能や教育対象を整理(研究倫理教育の類型学)し,系統的・体系的な教育システムを整備することが求められている。

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