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編集後記
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60 巻 (2017) 7 号 p. 542

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編集後記

日本遺伝学会が日本人類遺伝学会とも協議して遺伝用語を改訂したことが話題になっています。優劣の偏見や誤解につながりかねない「優性」「劣性」を,「顕性」「潜性」という,本来の意味である遺伝子の特徴の表れやすさを示す用語に変更するそうです。dominantとrecessiveの訳語として,これは妥当だと思います。混乱をよぶことはないでしょう。

気になるのが「変異」です。mutationの訳語を「突然変異」から「変異」とし,これまでvariationの訳語のひとつだった「変異」を「多様性」とするそうです。「変異」という用語だけを取り上げた場合,これまでのvariationの訳語なのか,新しいmutationの訳語なのか,混乱しないでしょうか。

今回,インパクトファクターに関連する「Web of Science」の記事を取り上げました。本誌では,Webサイトに記された正式名称に合わせて,プラットフォーム名を「Web of Science」(WoS),データベース名を「Web of Science Core Collection」(WoS Core Collection)としています。新聞等では,正式名称が長いために,データベース名として「Web of Science」を用いています。そのことを社として認めているそうです。さらに,新聞等に「Web of Science」とあっても,実際には自然科学系のデータベース「Science Citation Index Expanded」だけを指している場合があり,厳密ではありません。

最近,『ネガティブ・ケイパビリティ:答えの出ない事態に耐える力』(帚木, 2017年)という本に出会い,"negative capability"という用語を知りました。この語は「不安,不可解の念,疑念に囚(とら)われながらも,気短に事実や理屈を求めないでいられる能力」を指す(集英社世界文学大事典)そうですが,和訳語が多様性に富んでいます。『John Keats : "Negative Capability"の「訳語」をめぐる概念の検証』(藤本, 2005年)という論文に訳語と出典が紹介されていたので数えてみたら,最多の「消極的能力」をはじめ30以上の訳語がありました。これらの訳語は指し示す概念が一様でなく,まず概念の規定が必要と論文の著者は指摘しています。(KM)

次号予定

  • ●   ビッグデータ×機械学習の展望:最先端の技術的チャレンジと広がる応用
  • ●   ゲノム,エピゲノムからヌクレオームへ:遺伝情報発現制御機構の包括的理解に向けて
  • ●   顔認証を中心とした生体認証技術の実際と安全・安心な社会の実現に向けて
  • ●   情報通信技術や機械学習を活用した精神疾患重症度評価への取り組み
  • ●   連載:「情報」とはなにか 第6回 情報×分析 インフォメーションからインテリジェンスへ:「分析」にみるインテリジェンス研究最先端

編集委員会

  • <委員長>小賀坂康志(科学技術振興機構)
  • <編集委員> 江草由佳(国立教育政策研究所)・岡安渉子(富士通㈱)・小河邦雄(大正製薬㈱)・清田陽司(㈱LIFULL)・山下正隆(旭化成㈱)
  • 住本研一・青山幸太・木村美実子・佐藤恵子・嶋田一義・坪井彩子・中村拓・火口正芳・福島俊一・森亮樹・山崎美和・余頃祐介(以上 科学技術振興機構)

編集事務局

  • 木村美実子(事務局長)・酒井加代子・大井喜久子・
  • 関根佳美(以上 科学技術振興機構)

版下作成・印刷

  • 昭和情報プロセス株式会社

発行

  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 〒102-8666 東京都千代田区四番町5番地3
  • 「情報管理」編集事務局
  • Tel. 03(5214)8406 Fax. 03(5214)8460
  • E-mail: joho-kan@jst.go.jp
  • http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/

 
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