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Vol. 60 (2017) No. 8 p. 613-614

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http://doi.org/10.1241/johokanri.60.613

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情報界のトピックス

ALA,災害被害を受けた図書館への支援を呼び掛け

米国図書館協会(ALA: American Library Association)は9月20日,ALA災害救済基金を通じて,ハリケーン「Maria」やメキシコ地震で被害を受けた図書館の災害対応・復旧を支援すると発表した。会員に対して,カリブ海諸国,メキシコ,プエルトリコの図書館の復旧を支援するための寄付を呼び掛けている。ALAは9月12日にも,ハリケーン「Irma」で被害を受けたフロリダ州などの図書館への支援を呼び掛けている。

MicrosoftとFacebookの大西洋横断海底ケーブルが完成

Microsoftは9月21日,Facebook,スペインのインフラ企業であるTelxiusとの共同プロジェクトとして敷設工事が進められていた大西洋横断海底ケーブル「MAREA」(スペイン語で「潮流」)が完成したと発表した。スペインのビルバオと米国バージニア州のバージニアビーチを結ぶ6,600km超の区間に敷設されたMAREAは,通信速度は160テラbps(平均的な家庭用インターネット接続の1,600万倍の速さ)で,7,100万本のHD動画を同時に送ることができる。着工は2016年8月であり,通常の3倍の速度で完成した。MAREAによって,クラウドコンピューティングやデジタルサービスのための信頼性の高いネットワーク接続が実現するとしている。

arXiv,電子工学・システム科学と経済学のプレプリントサーバーを開設

数学・物理学系プレプリントサーバーarXiv(アーカイブ)を運営するコーネル大学は,9月18日に電子工学・システム科学分野のプレプリントサーバー「arXiv/EESS」を,9月26日に経済学分野のプレプリントサーバー「arXiv/Econ」を開設すると発表した。EESSは,eess.AS(オーディオ・音声処理),eess.IV(画像・動画処理),eess.SP(信号処理)の3カテゴリーからなる。一方のEconは,計量経済学分野のみでスタートし,要望に応じて他の分野も追加する予定。計量経済学からスタートする理由は,同分野の研究者は以前から,統計学のプレプリントサーバーへの論文投稿を定期的に行っており,専用プレプリントサーバーを開設した場合に多くの利用が期待できるためとしている。この2分野のプレプリントサーバーが開設されたことで,arXivのプレプリントサーバーは8分野(物理学,数学,コンピューターサイエンス,定量生物学,数理ファイナンス,統計学,電子工学・システム科学,経済学)となった。

NICT,自動翻訳の高精度化に向け「翻訳バンク」運用を開始

情報通信研究機構(NICT)は9月8日,自動翻訳システムの高精度化に向けて,さまざまな分野の翻訳データを集積する「翻訳バンク」の運用を開始すると発表した。NICTは,世界の「言葉の壁」をなくすことを目指した「グローバルコミュニケーション計画」を総務省と推進し,開発中の自動翻訳システムの製品化に向け,ニューラル機械翻訳技術の導入を進めているが,ニューラルネットワークの学習に必要な翻訳データ(さまざまな言語による「原文」とそれが翻訳された「訳文」の対を集めたもの)が不足しているという問題があった。そのため,一般の企業や組織からさまざまな分野の翻訳データを集積して活用する「翻訳バンク」の運用の開始を決めた。当面は,100社・組織から各100万文,合計1億文のデータ集積を目指す。提供されたデータは,NICTが研究開発を行っている高精度自動翻訳システムの精度向上に役立てられる。具体的には,単語の選択や語順の変更を統計的に学習するために用いる。翻訳データを提供する側にとっては,製品化されたNICTの自動翻訳システムのライセンス料算定時に,提供した翻訳データを考慮してライセンス料負担が軽減されるメリットがあるとしている。

国会図書館の電子書籍収集件数が100万件超え

国立国会図書館は9月12日,電子書籍・電子雑誌の収集件数が100万件を突破したと発表した。現在は,無償公開されている電子書籍・雑誌が主な収集対象になっており,約6割が学協会の発行する学術雑誌や会報,2割強が国や地方公共団体が発行する統計類や広報誌となっている。収集した約9割が「国立国会図書館デジタルコレクション」で閲覧できる。国立国会図書館によるオンライン資料の収集は,国等の公的機関を対象とした収集が2010年4月から,それ以外の組織を対象とした収集が2013年7月からそれぞれ実施されている。

英文学術書の電子書籍に関する日本での意識調査

シュプリンガー・ネイチャーは9月25日,電子書籍に関する意識調査の結果をまとめた「イーブック白書 Vol. 8」を発表した。これは,日本の大学・企業・病院などの研究開発機関の研究者,教員,学生を対象に,電子書籍(英文学術書の電子版)の認知度および教育利用に対する意識を調べたもの。教員と学生では設問を分けている。2017年に実施した調査では,「同社が電子書籍を出版していることを知っている」という回答が全体の84%を占め,2013年の56%から認知度が向上していた。一方で,教育目的で電子書籍(同社の電子書籍に限らない)を使ったことがある教員は全体の24%にとどまった。また学生に対して,電子書籍の機能・特色で便利だと思うものを質問したところ,「全文(フルテキスト)検索」という回答が47%で最も多かった。また「電子書籍より紙の書籍の方がよい」と答えた学生は12%にとどまり,「電子書籍が好き」「どちらでもよい」「紙の書籍を好むが電子書籍でも構わない」という回答を合わせると,学生全体の約8割を占める結果になった。

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