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衛星リモートセンシングで海洋空間を知る:水産資源の持続可能な利用のためのアプローチ
齊藤 誠一
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60 巻 (2017) 9 号 p. 641-650

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著者抄録

持続可能な海洋の保全や水産資源の利用・開発には,衛星リモートセンシングや海洋GISを利用した海洋空間の利用・管理が不可欠である。本稿では,これまで開発した衛星リモートセンシングやデータ同化モデルを利用した水産海洋情報システムを概観した。アカイカやスルメイカの短期のピンポイント漁場予測システム,ホタテガイ最適育成海域モデルを紹介した。さらに,気候変動モデルによる中長期のアカイカ漁場予測を紹介した。これらの一連のシステムが持続可能な水産資源管理に貢献し,スマート水産業へ発展し,今後の方向性として,AIやIoTの利用についても言及した。漁具に設置されたIoTセンサーにより蓄積される水産ビッグデータの解析から,漁業者の勘と経験の暗黙知から形式知へとすることができ,後継者問題も解決につながることを期待したい。

1. はじめに

楽曲「PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)」のヒットで人気者になったタレントのピコ太郎さんが2017年7月17日,米国・ニューヨークの国連本部で貧困の撲滅や教育の確保を目指す「持続可能な開発目標(SDGs)」を普及させる替え歌を披露した注1)。国連を中心に地球規模で活動が広がっている「持続可能な開発のための2030アジェンダ」1)には,17の持続可能な開発のための目標がある。その14番目の目標が「海の豊かさを守ろう」で,持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し,持続可能な形で利用することである。ここでわが国の強みである科学技術イノベーションをSDGs解決のために活用することが期待されている2)

14番目の具体的な目標として以下の2つが含まれている3)

  • (1)水産資源を,実現可能な最短期間で少なくとも各資源の生物学的特性によって定められる最大持続生産量のレベルまで回復させるため,2020年までに,漁獲を効果的に規制し,過剰漁業や違法・無報告・無規制(IUU)漁業及び破壊的な漁業慣行を終了し,科学的な管理計画を実施する。(14.4)
  • (2)2020年までに,国内法及び国際法に則り,最大限入手可能な科学情報に基づいて,少なくとも沿岸域及び海域の10パーセントを保全する。(14.5)

これらのことを実施するには,衛星リモートセンシングや海洋GIS注2)を利用した海洋空間の利用・管理が不可欠である。

2. 水産資源

水産資源は再生産資源と呼ばれ,資源を維持,回復するのに必要な期間と量を超過しないように管理すれば,持続的利用が可能である。しかし現在,乱獲などでその歩留まり以上を漁獲した結果,地球規模でその安定供給と持続的利用が困難になりつつある。場所によっては絶滅魚種も現れており,まさに生物多様性の危機に直面している。さらに,地球規模における漁獲圧の増大や海洋環境変化による水産資源の枯渇は,各国・地域の研究者が懸念している大きな問題の一つである。海洋生態系の把握に基づいた水産資源の持続的利用を目指した研究プログラムが,各国・地域の連携の下に立ち上げられている。

日本における水産資源の持続的利用のため,水産庁は,サンマ,スケトウダラ,マアジ,サバ,スルメイカ,ズワイガニなどを選定魚種として,科学的な資源量算定に基づいて適切な管理を目指している。しかし,その管理方策は,漁獲量のみに依存する方法であり,気候変動を含めた海洋生態系の把握に基づいた精度の高い資源量や生物量の推定方法の開発が必要となっている。最も重要なことは,いつ,どこに,どのくらいの魚が生息しているのか,その回遊経路も含めてリアルタイムに把握することである。それには,「魚の分布・回遊と環境との関係をリアルタイムに把握し,いつ,どこで,どのくらいの魚を漁獲しても資源維持には影響を与えないのか」,さらには「どこにいる魚を漁獲すれば漁船の燃費が節約でき,最も対漁獲努力効果の高い漁獲物を得ることができるのか」をサポートする漁業活動支援システムの開発が不可欠である4)6)

水産業は海面漁業(海洋で行う漁業)・養殖業と,内水面漁業(河川,池,沼など淡水で行う漁業)・養殖業に区分される。わが国の生産量は2015年度で海面漁業が355万トン,海面養殖業が106.9万トン,内水面漁業が3.3万トン,内水面養殖業が3.6万トンと海面漁業・養殖業が圧倒的に生産量は大きい。水産業全体の生産の98%以上を海面漁業・養殖業が占める7)

3. 漁況・海況予測

1990年代に始まった全球および縁辺海などの地域海洋でのデータ同化システム注3)は,いくつかの要因でその発展が加速されてきた。その要因は,

  • (1)海洋循環数値モデル(Ocean General Circulation Model: OGCM)注4)のソースコードなどが一般化した
  • (2)海洋のデータ同化手法が発展した
  • (3)スーパーコンピューターが発達して,数十km程度の渦も表現できる渦解像度モデルも計算できるようになった
  • (4)ARGOブイ注5)のような全球的な海洋観測システムが発達した8)

などが挙げられる。ここに,近年の「海の天気予報」のめざましい進歩がある。その意味で海況注6)予測が現実に漁業へも応用できる時代になり,コンピューターを用いた漁況注7)予測が現実のものとなり,漁場予測が実現可能な時代になってきた9)10)

4. 実利用への予測技術

効率的な漁業を行うためには,いつ,どこに,どのくらいの魚がいるかを知る必要がある。それには,漁場予測が必要となる9)10)。漁場予測にあたっては,対象となる魚種が分布するうえで適度な餌(プランクトン),温度,潮の流れなど好適な環境条件をもった海域を推定し,それをもって将来の漁場域とするのが一般的である。好適な環境条件をもった海域を予測するため,海洋環境データと予測対象魚種の漁獲データに基づき,好適生息域指数(Habitat Suitable Index: HSI)が計算される11)。その計算方法としては,現在は(1)空間統計モデルと(2)機械学習モデルが用いられている。さらには,両者を統合したアンサンブル統計モデルの開発が考えられる12)1)。一方,増養殖業のスマート化には対象種の最適育成海域の空間モデルや成長モデルの開発が,その精密生産管理に必要となる13)14)

今から10年以上前に,衛星リモートセンシング技術を利用し,海の色から植物プランクトンの量(クロロフィル濃度)を,海面の熱放射から海面水温を,海面の凹凸から潮の流れなどを計測し,その情報を利用して,当日の漁場予測図や衛星による海洋環境情報を簡便に提供する「トレダス」システムを開発した。このシステムは,今でも20隻以上のカツオ漁船が利用している。衛星情報は,リアルタイム性や,数値モデルでは表現できない微細な海洋構造を表せるなどの利点がある。したがって,数値モデルの予測値の精度が上がったとしても,重要な海洋環境情報である。

さらに進化した,衛星リモートセンシングを活用したシステムを紹介しよう。

図1 好適生息域推定モデルの分類

4.1 アカイカのピンポイント漁場予測システム

「気候変動適応研究推進プログラム(Research Program on Climate Change Adaptation: RECCA)」(2010~2014年)という文部科学省の研究プロジェクトの中でアカイカのピンポイント漁場予測モデルを開発した。ピンポイントとはモデルの最小空間解像度を指す。ここでは数km程度である。テーマは「気候変動に伴う水産資源・海況変動予測技術の革新と実利用化」注8)であった。現在,気候変動適応技術社会実装プログラム(SI-CAT)として発展している。ここでは,漁場予測モデルの開発15)やクラウドを利用した情報提供システムについて報告する。

アカイカ漁業は,夏季に北太平洋の遠く日付変更線の東側の西経160度まで,三陸沖合の東経150度ぐらいまで漁場が形成される。開発したシステムの特徴は,双方向通信(2)である。アカイカ漁業者は海洋環境情報や漁場予測マップ(3)を閲覧し,その日の漁獲量,漁獲された位置(経度・緯度),時間などをオンラインで報告しデータベースが自動的に生成されるようになっている。双方向通信で提供される漁獲データが漁場推定モデルに取り込まれ,さらに予測精度を上げるために用いられている。このシステムは当初は北海道大学アカデミッククラウドコンピューターを利用して運営されていたが,現在は民間のクラウドコンピューターで実運用されている。良好な漁場へ素早く移動でき,漁業者からは少なくともこのシステムを導入する前より燃費の約1割が削減できたとの報告がある。

図2 クラウドを利用した双方向通信
図3 予測情報(漁場予測・下層水温。5日先の予測図)

4.2 スルメイカのピンポイント漁場予測システム

「地域イノベーション戦略支援プログラム(グローバル型)」(2009~2013年)という文部科学省の研究プログラムの中で,「函館マリンバイオクラスター」というプロジェクトを実施した。これは沿岸域の増養殖場の海洋環境の計測・予測と,予測情報を利用した沿岸域のスルメイカの漁場予測に焦点を当てた。

沿岸域のスルメイカ漁場は,毎日の海況変化に大きく支配され変動が大きい。そのため,海洋環境の予測も短時間の変化に追従する必要がある。人工衛星の夜間可視画像を用いてスルメイカ漁船の位置を抽出し,過去のデータ同化モデルで算出した水温,塩分,流れ(南北方向,東西方向)を説明変数として漁場予測モデルを作成する。鉛直方向(浅い方から深い方に向かって)で最も相関がよい層を選択してモデルを構築した16)17)。鉛直方向の情報は,スルメイカの分布に影響を与える渦や前線などの水塊の構造を表す。

そして,実際にリアルタイムでデータ同化モデルを稼働させて,漁場予測モデルにそのデータを入力することによりナウキャスト(数時間から2,3日先までの予報)が可能となる。このシステムでは,外洋域から沿岸域へダウンサイジングしたデータ同化モデル18)を適用して,毎日予測モデルで再計算させて最新の計算値が得られるようにコンピューターを稼働させている。したがって,毎日最新の海洋環境予測結果がスルメイカ漁場予測に反映されるため,精密な予測が可能となった(4)。

図4 Web-GIS上のスルメイカ漁場予測図

4.3 ホタテガイの最適育成海域モデル

北海道南西部の噴火湾(内浦湾)周辺海域で行われているホタテガイ養殖は,垂下式といわれ,貝殻に稚貝を付けて,鉛直方向に貝殻をつり下げて生産する方式である。したがって,表層約20mまでの海洋環境に影響を受ける19)

このホタテガイ養殖の生産性向上,作業効率向上,稚貝の斃死(へいし)リスク回避,品質向上が求められている。そのためには,環境モニタリングによる適地選定や環境リスク管理による生産現場の高度化が必要である。海洋環境の短期予報は,耳吊り用稚貝の斃死リスク回避(塩分),垂下水深の調整(水温,成長量),出荷時期の決定(成長量),耳吊り作業時期の決定(水温)などのため不可欠である。中長期予報は,設備投資や貯蔵・流通戦略上必要となる。

中長期のホタテガイ最適育成海域の変化をみると,ENSO注9)イベントに比べ,ラニーニャ注10)年は成長がよく,強いエルニーニョ年は成長が悪いことが判明した(520)。3次元の成長モデルを開発した結果,鉛直方向での成長量の経年変動も大きいことが判明した(621)。短期予報については,毎日の予測モデル結果を用いた,出荷時期の決定,稚貝の採集,耳吊り作業時期の決定等に役立つタイムリーな情報提供システムへと発展させる必要がある。

関連プロジェクト「攻めの農林水産業の実現に向けた革新的技術緊急展開事業」(2014~2015年)で,ICT技術(情報通信技術)を応用したホタテガイの精密増養殖管理支援システムの技術開発をテーマにしている,沿岸域の海洋環境予測システムの実利用化へと発展させた。パソコンだけでなく,携帯性の高いスマートフォン,タブレットでも海水温や塩分などの各種データが見られるようにした(7)。

図5 ホタテガイ最適育成海域(2004~2010年)
図6 ホタテガイの3次元成長量の経年変化(2009年2月20日~2011年2月20日)
図7 精密増養殖管理支援システム用端末

4.4 気候変動モデルによる中長期のアカイカ漁場予測

アカイカのHSI(好適生息域指数)モデルのMaxEntモデル(最大エントロピーモデル)を利用してアカイカ漁場の将来予測を試みた例を示す。2001年から2009年までの9年間のデータを用いて,機械学習モデルのMaxEntを作成し,IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change:気候変動に関する政府間パネル)予測モデルMiroc3.2の計算結果を用いて2010年,2025年,2050年,2100年の将来予測マップを作成した。

海洋環境データとして3種類の衛星データ,すなわち海面温度(SST),海面高度(SSH),渦運動エネルギー(EKE)を25km,月単位で,さらに,海面塩分(SSS),混合層深度(MLD)を加えた。海面塩分および混合層深度はデータ同化モデル(MOVE)データを用いてMaxEntモデルを構築した22)

8にMaxEntモデルとMiroc3.2モデルから推定したHSI分布を示した。2010年現況マップと2025年,2050年,2100年の将来予測マップとの比較ができる。

9にHSI値の180度線上の南北分布を示した。温暖化によるアカイカ漁場海域の分布変化をみると,2010年に比べて2025年には,いずれの月でも緯度で1度から2度程度北上している。2050年には,さらに2度程度北上している。2100年には,2050年に比べてもさらに2度以上北上するとともにHSI値も減少する。特に7月にはHSI値のピーク値が0.5から0.1まで急激に減少する。このことは漁獲効率の低下を示している。

このようにアカイカ予測漁場位置は温暖化とともに北上化し,2010年に比べて2100年には緯度で6度程度北上する。特に,7月にはほとんど漁場といえないくらいHSI値が小さくなることが示唆された。すでに,サケの分布についての将来予測では,同様の北上化や回遊経路の喪失などが議論されている23)。複数のIPCCモデルで計算した結果のアンサンブルを取る方法で,マカジキ生息域の将来予測を行っている例もある24)。ここでも同種の北上化が指摘されている。今後,アカイカの中長期の資源変動を推定するうえでも,このような空間モデリングを利用した将来の漁場予測は不可欠である。

図8 MaxEntモデルによるアカイカ漁場予測分布図(2010年,2025年,2050年,2100年)
図9 MaxEntモデルによるHSI値の南北分布(2010年,2025年,2050年,2100年)

5. スマート水産業への挑戦

「スマート水産業」とは何かをまず定義すると,「勘や経験に依存している仕事のやり方を,ICT技術で『見える化』して効率化した水産業」といえる。さらに,スマート化の中身としては,海洋環境や海洋生態系に優しいとか,再生可能エネルギーを利用したとか,環境問題やエネルギー問題の解決も包含した水産業をイメージできる。最も重要なことは,それがとりもなおさず「もうかる水産業」でなくては意味がないということである。高収益化とブランド競争力の向上を通じた経済の活性化に,スマート水産業が貢献できなければならない。それには食品加工や流通販売を含めた6次産業化への取り組みも含まれる。

最近の経済雑誌の中には,「独り負けニッポン漁業」というテーマで特集を組み,時代変化に対応できない「日本は漁業後進国」と批判しているものもある25)。その原因は,温暖化の被害者と訴える漁業者,国際情勢が悪いと主張する漁協,海外勢の乱獲だと非難する水産庁など,責任を他者に転嫁している間に,座視してきた2つの時代変化,すなわち1977年以降の200カイリ時代後の漁獲競争と,近年の資源危機時代における国際協調に対応できていないことにある。今まさに,スマート水産業を進める時期で,これらの技術をてこに水産資源の時空間管理手法を確立して,日本の水産業の構造改革を実施すべきである。発展著しい東南アジアの中進国が先にスマート水産業を導入してしまえば,まさに日本は漁業後進国となってしまうだろう。

6. おわりに

2017年度に打ち上げが計画されているGCOM(Global Change Observation Mission)-C(気候変動観測衛星「しきさい」)にはSGLI(Second generation Global Imager:多波長光学放射計)が搭載され,空間解像度250mの海面水温分布やクロロフィルa濃度分布が観測でき注11),沿岸漁業や沿岸海域モニタリングへの応用分野に期待がかけられている。

現在の環境問題,燃油高を背景として,漁船では高効率機関の採用,造波抵抗低減,LED集魚灯への換装などハード面での効率化が多く取り組まれている。一方,効率化の効果を直接的に評価できないソフト面においては,取り組みが必ずしも十分に行われていないという現状がある。世界的に漁船漁業は今後管理型漁業へと進展してゆく必要性があり,集団操業などの効率的な漁業運営のためには位置情報を収集し公開・共有するような仕組みも不可欠である。

地球温暖化等の気候変動下での漁場探索技術の確立に向けて,漁場探索・分布の推定に必要とされる主要な渦分布や海洋前線を表現し,かつ数日程度の予報時間スケールをもつ高分解能シミュレーションモデルのリアルタイムでの利用や,準リアルタイムの衛星観測により推定された海洋環境情報の提供は短期漁場予測には欠かせないものとなる(10)。中長期の漁場予測にも,短期漁場予測で開発された好適生息域推定モデルをIPCC将来予測モデルで計算した将来の環境へ当てはめて,将来の漁場分布の位置や強度を推定できる。このように将来の気候変動による漁場形成機構の変化を理解できれば,その変化に適応した漁業形態のあり方を考えたり,さらには将来の漁業経営の安定化や生態系を基本とした水産資源管理に対する適応への指針が得られることになる。

今後はAIやIoTを利用したスマート水産業の発展が期待できる。AIによる漁場予測はこれまでの機械学習による予測モデルを基礎に進展させるべきであるが,最終的には海洋生物と環境との関係の理解が必要である。IoTでは自動イカ釣りロボットなどの深度別の水温やテンション(イカが釣り針にかかったときの張り具合)などのデジタル情報をイカ漁獲深度などの解析に用いることも可能である。これらの情報が今後はどんどん集積され水産ビッグデータとなり,これらのビッグデータを解析することにより,漁業者の勘と経験の暗黙知を形式知とすることが可能となる。たとえば,なぜこの海況のときにはイカ釣り機の釣り深度をこの深さに設定するとよく釣れるのかなどのような,知識データベースが蓄積されていくだろう。そこに,匠(たくみ)の技の伝承によって後継者問題の解決につなげるなど,漁業の抱える問題解決が進み,真のスマート水産業が発展していくことを期待したい。

図10 ピンポイント漁場予測モデルと漁業情報サービス

執筆者略歴

  • 齊藤 誠一(さいとう せいいち) ssaitoh@arc.hokudai.ac.jp

1953年福井県生まれ。1975年に北海道大学水産学部漁業学科を卒業。同大学大学院を修了し,1984年水産学博士。1984年,財団法人日本気象協会中央研究所研究員,1988年に同情報処理部主任技師,1991年に同情報処理部専任主任技師,1993年に北海道大学水産学部漁業学科漁業航海学講座助教授,2000年に同大学院水産科学研究科資源計測学講座教授,2015年より現職の北極域研究センター長,2016年より北海道大学大学院水産科学院特任教授弊任。

本文の注
注1)  ピコ太郎さんが国連本部で「SDGs版PPAP」を披露:https://www.youtube.com/watch?v=Qg3KaGu90qs

注2)  海洋GIS:GISとは地理情報システムのことを指し,空間情報をコンピューター上でデジタル的に扱う技術である。当初は陸域で発展してきたが,近年海洋にも応用されるようになってきた。陸域との違いは,現象はダイナミックで時間的変化が大きいこと,深さ方向の情報も必要であり3次元で扱うことである。

注3)  データ同化システム:データ同化とは,主に地球科学の分野において数値モデルの再現性を高めるために行われる作業である。簡単にいえば,モデルに実際の観測値を入力してより現実に近い結果が出るようにすることを指す。これらの作業を自動化したものをデータ同化システムという。

注4)  海洋循環数値モデル:海洋大循環,潮汐などの現象を対象とし,流体の基本方程式を初期条件・境界条件を与えて数値的に解くためのモデル。

注5)  ARGO(アルゴ)計画:世界気象機関(WMO),ユネスコ政府間海洋学委員会(IOC)等の国際機関および各国の関係諸機関の協力のもと,全世界の海洋の状況をリアルタイムで監視・把握するシステムを構築する国際科学プロジェクト。世界各国のフロートの所有者による観測データの無償提供で成り立っており,データ公開の仕組みは世界各国の関係諸機関の協力で維持されている。アルゴ計画・日本公式サイト:http://www.jamstec.go.jp/J-ARGO/index_j.htmlより引用。

注6)  海況:海水の水温,塩分の分布,海流の状態,水塊の分布,海水の化学成分,微生物などを総合した海の状態。気象の雨,風,気温などを総合した「天気」に似た用語である。海況は普通,水温,水塊,海流の資料を解析して行う。

注7)  漁況:漁獲量の時間的な変化の状況。漁獲高が多いと漁況がよいという。漁況は,同一年内の短期間でも,あるいは経年的にも変動する。その原因として,資源量の変動,海況の変動による回遊経路の変化などが挙げられる。

注8)  気候変動に伴う水産資源・海況変動予測技術の革新と実利用化:https://www.restec.or.jp/recca/staticpages/index/awaji.html

注9)  ENSO:エルニーニョ・南方振動(El Niño-Southern Oscillation,エンソ)をいい,海洋では 赤道太平洋の海面水温や海流などが数か月から数十か月の持続期間をもって変動する現象を指す。

注10)  海面水温が平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれ,エルニーニョ,ラニーニャが,それぞれ数年おきに発生する。エルニーニョ/ラニーニャ現象とは(気象庁):http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/data/elnino/learning/faq/whatiselnino.htmlより引用。

注11)  JAXA Webサイト:http://www.satnavi.jaxa.jp/project/gcom_c1/

参考文献
 
© 2017 Japan Science and Technology Agency
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