1999 年 1 巻 1 号 p. 6-10
ナイチンゲールの時代から、患者に関するデータの収集は、専門職としての看護を評価し、進歩させるために不可欠なものと見なされてきた。しかし、看護は全体として、十分に体系化されたデータを収集する手段をいまだに完成させていない。これは、情報科学、コンピュータ科学に対する基本的な知識と理解が不足していることがその一因と考えられる。本稿は、米国で1990 年代初頭に生まれた看護情報学の概要について紹介し、さらに、個々の看護実践の改善や保健医療における看護の発展のために有用な情報を提供する看護ミニマムデータセットの概念、内容および発展の経緯について紹介する。