抄録
ウサギを用い, 口腔領域の電気刺激による反射性顎下腺分泌量と顎下腺支配副交感神経性節前線維の反射性放電を記録し, 両者の関係を分析した。同側口腔領域前部の反復電気刺激(10-20Hz)により著明な顎下腺分泌が誘発された。節前線維の90%は同側口腔領域前部の特定部位の刺激にのみ応答した(上唇, 20%;口蓋, 25%;舌, 27%;下唇, 18%)。口腔領域反復電気刺激時の反射性放電パターンにより節前線維は3つのタイプに分類された(E-type, 41%;N-type, 36%;I-type, 23%)。すなわち, 20Hzの刺激に対し, E-type線維では放電頻度が著明に増加し, N-type線維ではほとんど放電頻度に変化がなく, I-type線維では放電頻度は自発放電レベル以下に減少した。刺激間隔を変化させつつ口腔領域を二連刺激し節前線維の興奮性の時間経過を調べると, E-typeは興奮-抑制, N-typeは短期間抑制, I-typeは長期間抑制の経過を示した。E-type線維の放電量は分泌量との問に有意の相関関係があり, これが分泌神経線維であること