24 巻 (1982) 1 号 p. 55-61
う蝕の発生機構を定量的に解析するため, 試験管内でのう蝕形成実験に用いるリン酸カルシュウムからなる均質な人工蕾の作製を試みた。種々のリン酸カルシュウム粉末やHydroxyapatite粉末を材料とし加熱熔融又は焼結することでリン酸カルシュウムガラスおよびHydroxyapatiteの焼結体を作製し, これらの結晶構造, 硬度, 酸に対する溶解性等の物性を検討し走査電顕像を観察した。Hydroxyapatiteを1400℃, 3時間焼結した焼結体は歯に近い硬度をもち, Hydroxyapatiteの結晶構造が保持されている上に均質で酸に対して一定速度で溶解された。リン酸カルシュウムガラスは酸に対する溶解性が非常に低かった。
以上の結果から, Hydroxyapatiteの焼結体は上記目的のための実験用人工歯として適していると考えられた。