歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
Streptococcus mutans の不溶性グルカン合成を抑制する低酸発酵性糖質について
竹内 叶
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26 巻 (1984) 3 号 p. 698-713

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抄録

シュクロースの味質に近く人体に安全な低う蝕原性糖質で, かつシュクロースのう蝕原性を抑制するような糖質を利用した新しいタイプの代用甘味料の開発を目的とし, 構造的にシュクロースと類似し, しかもStreptococcus mutansのグルコシルトランフェラーゼ (GTase) によるシュクロースに依存した不溶性グルカンの付着や合成を抑制するような特殊な低酸発酵性糖質の検索を行なった. その結果, イソマルトース, イソマルトシルフラクトシド, キシロシルフラクトシド (XF), マルトシルフラクトシド (4G2F), マルトトリオシルフラクトシド等が得られた。XFはシュクロースのアナログとしてGTaseのシュクロース分解反応を拮抗的に阻害することにより, また, その他の糖質はGTaseのグルコース転移反応におけるアクセプターとして本来のアクセプターである長鎖グルカンと拮抗することにより, それぞれ本酵素による不溶性グルカン合成を抑制した。
そこで実験室レベルで比較的大量に得られた4G2Fならびに本糖質を主成分とし, 味質もシュクロースに近く, また現在工業生産されているカップリングシュガー®(C) に着目し, そのう蝕原性をヒトロ腔内う蝕原性試験のA系 (歯の隣接面や歯表面の溝等に起こるう蝕のモデル実験系), B系 (歯の平滑面に起こるう蝕のモデル実験系) を用いて検討した。ヒト口腔内におけるこれら糖質のう蝕原性は用いた系により異なっていたが, 4G2FはA, Bいずれの系においても明らかに低う蝕原性を示した。一方, カップリングシュガー®(C) はB系においてのみ低う蝕原性を示した.

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