歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
培養線維芽細胞の増殖とコラゲン線維形成
松尾 朗矢嶋 俊彦
著者情報
ジャーナル フリー

1985 年 27 巻 1 号 p. 53-63

詳細
抄録

ラット皮膚由来の線維芽細胞を用いて, 細胞増殖とコラゲン線維形成に対する培地, 血清濃度, アスコルビン酸とジフェニルヒダントイン (DPH) の影響を形態学的に研究した。
細胞増殖率は, α-MEM培地とDM-160培地で共に, 血清濃度依存性を示した。しかし, α-MEM培地での増殖率は, DM-160培地のものより高かった。α-MEM培地では, 線維芽細胞は培養1日で渡銀される線維を形成し, 増殖対数期と定常期を通して細胞外にコラゲン線維を形成・蓄積した。DM-160培地での線維形成率は培養3週まで低く, その後, コラゲン線維量の増加がみられた。
DM-160培地 (アスコルビン酸含有量1μg/ml) の線維芽細胞は, α-MEM培地 (アスコルビン酸含有量50μg/ml) の細胞に比べて, アスコルビン酸欠乏状態であった。これらアスコルビン酸欠乏状態では, 典型的な64nm横紋を持つコラゲン線維形成は阻害され, 横紋のない, 細線維とmicrofibrilsが形成されていた。これらの結果は, この線維芽細胞はコラゲン線維形成にアスコルビン酸を必要とすることを明らかにした。
培養線維芽細胞へのDPHの添加は, 細胞増殖とコラゲン線維形成の両都を促進した。

著者関連情報
© 歯科基礎医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top