27 巻 (1985) 3 号 p. 942-948
歯内療法領域で頻用されているE. C. は自己蛋白質である歯髄組織成分に作用するとhaptenとなって自己を感作する可能性があることを示唆する報告がみられる。このような自己歯髄成分の変化はcresolによる修飾で生じると考えられているようである。
ところで, 臨床的にformalinの効果は本来根管系に存在する多種類の蛋白質に作用するところにある。Formalinが蛋白質に作用した場合に蛋白質の遊離基の間でcross-linkを形成することは周知のとおりである。このcross-linkはhapten物質が結合するべき基に結合することを妨げるように機能するのではないかと考えられる。
そこで, BGGとDNBSとを用いてhapten-carrierの結合をformalinが阻止することを確認するために本実験をおこなった。その結果, BGG 1 molに対して約500 mol以上のformalinを作用させたときに, BGGとDNBSの結合がほぼ完全に阻止されることが明らかになった。