歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
カイウサギのA. malarisについて
三宅 晴記
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1987 年 29 巻 1 号 p. 44-57

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抄録

カイウサギのA. malarisをアクリル樹脂注入法によって詳細に観察した。A. malarisは上顎第一および第二小臼歯それぞれの歯槽隆起の間の狭い溝で, 眼窩下動脈から前上外側方に起始するが, きわめてまれに前鼻背動脈と共通幹で起始していた。A. malarisの諸分枝は共通幹によって起始することが多い。眼窩下神経枝は下斜筋起始や歯槽隆起の骨膜にも分布していた。A. malarisは眼窩下神経の上方で鼻涙管枝を派出したのち, 下斜筋起始の前を上外側方へ進み, 下斜筋枝, 下および上骨膜枝を派出して眼窩前壁に達していた。鼻涙管枝は最も発達した太い枝で, 鼻涙管眼窩口への枝とともに, 本幹に沿ってこれに分布する鼻涙管動脈を形成していた。下骨膜枝は第二小臼歯の歯槽隆起と涙骨眼窩面の骨膜に, また上骨膜枝は前頭涙骨縫合を越えて前頭骨眼窩面の骨膜に分布していた。下斜筋枝は眼窩膜を貫き眼筋円錐内容に分布する唯一の枝であった。眼窩に出たA. malarisからは約8%で第三眼瞼枝を派出していた。本枝は内眼動脈の同名枝と吻合し, 第3眼瞼に分布していた。さらにA. malarisは前眼窩縁枝を派出し, 眼窩骨膜外脂肪体内を上外側方へ鼻涙管眼窩口の下に達し, 鼻涙管眼窩口への枝と涙嚢枝を派出していた。前眼窩縁枝は副涙腺の前で眼窩骨膜外脂肪体と上顎骨頬骨突起の間から顔面に出て, 骨膜に分布していた。涙嚢枝は後眼窩縁枝を派出したのち, 涙嚢, 副涙腺被膜, M. malarisに分布していた。最後にA. malarisは涙嚢後面に上行し鼻根枝を出したのち, 内側上および下眼瞼動脈の二終枝に分かれていた。鼻根枝は内側眼瞼靱帯を貫いて顔面でM. malarisや上顎骨骨膜に分布するが, 皮膚には分布していなかった。内側上および下眼瞼動脈は涙腺動脈の外側上および下眼瞼動脈と吻合して上および下眼瞼動脈弓を形成し, その動脈弓から眼瞼縁へ櫛状に多数の小枝を送っていた。

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