歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
Tricalcium phosphate (TCP) 及びhydroxyapatite (HAP) による骨形成とコラーゲン分子種の変化
永原 国央
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29 巻 (1987) 2 号 p. 131-155

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抄録

顎骨の骨脚部に, セラミックスが骨代用材, 骨補填材として用いられている。その中の酸リン酸カルンウム系のセフミックスには, 生体内活性と生体内崩壊性の材料とがあり, 骨組織に対しては, 骨伝導部に優れているといわれている。本実験では, β-tricalcium phosphate (TCP) とhydroxyapatite (HAP) を用い, ラットおよび家兎大腿骨骨髄腔内に材料を埋入させることにより, 組織学的, 生化学的に検索して骨補填材としての有用性を検討した。
材料からのカルシウムイオンの溶出量はTCPはHAPより多く, 組織学的には両材料とも直接骨組織と接し, HAPの場合は埋入後12週目以降, 材料周囲に形成されていた骨組織は菲薄なものになっていく傾向にあり, TCPの場合は, 24週目になっても材料周囲での骨組織の形成は増加していく傾向にあった。また, TCPでは材料内部にVG染色に染まる物質が侵入しているのが認められた。コラーゲン分子種の比率 (III/I) は, HAPがTCPよりも早期に最高値を示し, そのあと徐々に低下した。TCPはHAPよりも最高値を示す醐が遅れ, 低下していく傾向はHAPよりもゆるやかであった。
このように, 本実験において, 生体内崩壊性材料が材料周囲での骨伝導能の持続及び骨組織と置換する傾向が強い骨補填材であることを示唆する結果が得られ, その有用性が確認された。

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