33 巻 (1991) 1 号 p. 1-15
近年, 遺伝子を直接手にすることができるようになり, その構造・発現調節・蛋白質の人工合成など多くの実験が可能になった。In situ hybridization法もその一つで組織切片上でDNAとRNAの相補的な結合を利用し, 細胞内のmRNAあるいはDNAを直接検出でき, 個々の細胞での転写レベルがわかる方法として知られている。今回著者は, この方法を用いて, chick骨端板成長軟骨および軟骨培養細胞のタイプI, II, Xコラーゲン, オステオネクチンmRNAsの局在について検討した.その結果, in vivo, in vitroともに, 軟骨細胞において, タイプI, II, Xコラーゲン, オステオネクチンのmRNAの発現を認めた。軟骨基質を維持するのに重要なタイプIIコラーゲンのmRNAは, 石灰化が進行するのに従いタイプXコラーゲンmRNAにその役割をswitchすることが推測され, 更にタイプXコラーゲンは, 軟骨石灰化に重要な因子であることが示唆された。