歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
ハムスター実験的歯周疾患におけるビスホスフォネート (シマドロネート) による破骨細胞の変化
長谷川 直樹
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39 巻 (1997) 1 号 p. 43-54

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抄録

ビスホスフォネート新誘導体disodium dihydrogen (cycloheptylamino) -methylene-1, 1-bisphos-phonate (cimadronate, YM175) はハムスター実験的歯周疾患において強い歯槽骨吸収抑制作用を示す. 本実験はcimadronateが破骨細胞の機能および形態に及ぼす影響を調べることを目的とする. ハムスターは庶糖含有粉末飼料で飼育するとともに, 下顎第1臼歯 (M1) 歯頸部を手術用縫合絹糸で結紮し, 歯周疾患を起こさせた. 歯槽骨吸収量は, M1のエナメル-セメント境と歯槽骨頂の間の面積を軟X線撮影により算定した. cimadronateを0 (対照), 0.03, 0.1および0.3mg/kg, 週2回皮下注射した. その結果, 結紮後4週目における各群の歯槽骨吸収量はそれぞれ1.05±0.31, 0.95±0.25, 0.59±0.14および0.68±0.14mmmm2を示し, cimadronate投与により顕著に骨吸収が抑制された. 絹糸結紮4日後におけるcimadronate 0.1および0.3mg/kg投与群の破骨細胞数は, 対照群に比較して約3倍に増加した後, 徐々に減少した. 電子顕微鏡による破骨細胞の観察では, 波状縁 (ruffled border) の不十分な形成が観察され, cimadronateが破骨細胞の機能を障害することが示唆された.
以上の結果から, cimadronateは破骨細胞数を増加させる一方で, 本細胞の機能を障害し, 結果的に骨吸収を抑制するものと考えられた.

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